「KPMGグローバル自動車業界調査2023」を発表

24回目となる同調査は30ヵ国1,000人以上の自動車業界のエグゼクティブを対象とし、自動車業界の現状と将来の展望を分析しました

24回目となる同調査は30ヵ国1,000人以上の自動車業界のエグゼクティブを対象とし、自動車業界の現状と将来の展望を分析しました

  • 中国の自動車エグゼクティブは自動車業界の収益見通しについて、グローバルの傾向と異なり、今後5年間の収益性の高い成長を達成する自信を高めています。
  • 2022年の調査結果と比較し、EV市場の成長予想がグローバルで高まっています。
  • 将来の複雑な技術課題に対し、自動車業界の準備不足の懸念が増加しています。
  • 2022年と同様に顧客エクスペリエンスは重要な差別化要素と考えられており、顧客エクスペリエンスによる選別への備えが今後重要になる可能性があります。

KPMGインターナショナル(チェアマン:ビル・トーマス)は、「KPMGグローバル自動車業界調査2023」を発表しました。今回で24回目となる本調査は、30の国と地域1,000人以上の自動車業界のエグゼクティブを対象とし、自動車業界の現状と将来の展望を分析しています。加えて、2022年調査に引き続き、パワートレインの将来像、消費行動のデジタル化、新しいテクノロジーや市場への新規参入、脆弱なサプライチェーンへの対応といった、具体的なテーマに関する回答結果を、前年調査からの変化を比較し、分析しています。

「KPMGグローバル自動車業界調査2023」主なポイント

1. 自動車業界の収益性に対する見通し

自動車業界のエグゼクティブは、成長が鈍化し、コストが上昇しているため、次の5年間で収益性の高い成長を達成するという自信が低下しています。全体としては「非常に自信がある」と答えた割合は、2022年の41%から34%に減少しました。国別でみた収益性に「非常に自信がある」と答えた割合を前年と比較すると、日本(2022年32%→10%)、米国(同48%→43%)、西欧(同31%→24%)とそれぞれ減少しています。一方で、中国は「非常に自信がある」と回答したエグゼクティブが前年よりも増加しており、自信を高めています(同28%→36%)。

図1:今後5年間の自動車業界の収益見通し(2022、2023年比較)

global-automotive-executive-survey-2023-1

2. EVの市場シェア

この3年間で自動車業界のエグゼクティブのEV市場予測は揺れ動いていますが、EVシフトへの現実的な課題に直面しているため、2023年はよりEV市場に対する理解が深まっているものと考えられます。
各地域の新車のEV市場シェア予測の変化は以下の通りで、2022年と比較するとEV市場の成長予想がグローバルで高まっていると言えます。
米国(2021年52%→2022年29%→2023年33%)、中国(同52%→同24%→同36%)、西欧(同49%→同24%→同30%)、日本(同52%→同23%→同32%)、インド(同39%→同16%→同20%)、ブラジル(同41%→同15%→同19%)

図2:2030年までに新車販売のうちEVが占める割合(市場別平均、2021、2022及び2023年比較)

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3. AIへの期待

今後数年間で「最も重要になるスキルは」という質問に対して、「AI」が2022年の3位から1位に順位をあげました。AIに対する期待は高いものの、自動車メーカーはあらゆる形態のAIを活用するため、仕事の再設計、トレーニングおよび生成AI専門家の雇用等が必要となっており、企業は準備不足になる可能性があります。

図3:近い将来に重要とされる自動車産業におけるスキル(市場別平均)

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4. 顧客エクスペリエンスは重要な差別化要素となる可能性

今後5年間に自動車を購入する際に重要視される要素として、購入から自動車を持つことにまでにおよぶシームレスなオペレーションを提供することにより、顧客エクスペリエンス向上を目指す動きがあります。

図4:今後5年間に自動車を購入する際に重要視される要素

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調査概要

名称

KPMGグローバル自動車業界調査2023
英名:Global Automotive Executive Survey 2023(GAES 2023)

調査期間

2023年10月

調査対象

世界30の国と地域の自動車業界および周辺業界のエグゼクティブ 1,041人
※CEO 24%、Cレベルエグゼクティブ24%、部門・部署責任者 35%、マネージャー 17%
※調査対象の10%が自動車メーカー、7%がサプライヤー、9%がディーラー、25%が情報通信技術会社

調査方法

インターネットによるアンケート調査

対象地域

米国(27%)、中国(15%)、欧州(26%)、インド、日本、韓国、オーストラリア、タイ、インドネシア、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ、サウジアラビア

対象企業

2022年の年間売上が、100億米ドル以上の企業が8%、10億米ドルから100億米ドルの企業が23%、10億米ドル未満の企業が69%

レポートの全文については、「KPMGグローバル自動車業界調査2023」のサイト(英)をご参照ください。
今後、オリジナルレポートに日本の消費者調査を加えた日本語版を発表する予定です。

本資料は2024年1月9日にKPMGが発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳し、日本企業の回答およびその考察を追記したものです。本資料の内容および解釈は英語の原文を優先します。

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