トップマネジメント主導のサプライチェーン再構築を支援する新組織、KPMG Japan SCALeが発足

KPMGジャパンは、法人顧客向けにアドバイザリー業務を展開する主要なメンバーファーム、KPMGコンサルティング、KPMG FAS、KPMG税理士法人の3社横断の新組織、KPMG Japan SCALeを立ち上げました。

KPMGジャパンは、法人顧客向けにアドバイザリー業務を展開する主要なメンバーファーム横断の新組織、KPMG Japan SCALeを立ち上げました。

  • KPMGジャパンのアドバイザリー3社(コンサルティング、ディール、税務)の専門家が協働し、経営トップ主導による統合アプローチによるサプライチェーンの再構築を支援する新体制が始動 
  • ポストコロナ時代のサプライチェーン改革を経営トップのアジェンダと位置付け、顧客企業のCEOに対し、事業モデル、リスク・ガバナンス、税務、ディール、オペレーションの5つの経営領域を網羅した包括的なアドバイスを提供
  • ESG経営を実現する「リスク分析とガバナンス設計」、および適正な所得配分を実現する「グローバル税務戦略」の2つの視点を重視した、統合アプローチによるサプライチェーン設計のあり方を提示

KPMGジャパン(東京都千代田区、チェアマン:森 俊哉)は、法人顧客向けにアドバイザリー業務を展開する主要なメンバーファーム、KPMGコンサルティング、KPMG FAS、KPMG税理士法人の3社横断の新組織、KPMG Japan Supply Chain Advisory Leadership(KPMG Japan SCALe)を立ち上げました。

KPMG Japan SCALe(読み:ケーピーエムジー・ジャパン・スケール)は、企業のサプライチェーンマネジメント(SCM)分野のコンサルティング業務において、異なる専門性を有する6名の専門家が中心となり、顧客企業に対して、トップマネジメント主導による新しい統合アプローチによるSCMを設計、提案し、その実現までを支援します。

KPMG Japan SCALeは、ポストコロナ時代に向けた新たな事業モデルの構築において、リスク分析とガバナンス設計に基づくESG経営への転換と、進出先市場における適正な所得配分の実現を導くグローバル税務戦略の視点を取り入れています。このアプローチに、ディールの活用とオペレーションの変革を組み合わせることで、統合的なSCMの設計から構築、実効性を持った運用まで、顧客企業のSCM改革を強力に支援していきます。
 

KPMG Japan SCALe 設立の目的および背景

企業のサプライチェーンは昨今、米中の貿易摩擦等の地政学上の不確実性や複数のFTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定)の発効、また、脱炭素社会への取り組みや企業間取引における人権侵害等の事案撲滅といったESG経営への要請が世界的に強まるなど、多岐にわたるマクロ環境の変化に直面しています。

KPMG Japan SCALeでは、これらの変化への対応は企業のSCMコストを増大させる傾向があり、ポストコロナの時代に合わせた事業構造の再構築として、SCMの見直しが急務であると考えます。SCMモデルの再構築には、事業モデル、リスク・ガバナンス、税務、ディール、オペレーションの全てを統合した高い視座が必要なります。KPMG Japan SCALeでは、これをCEOアジェンダとして捉え、各ソリューション領域の専門家が協働して、トップ主導による統合アプローチによるSCMの構築に向け、経営トップの右腕として包括的なアドバイスを提供します。

 

統合アプローチによるSC構築を実現する5つのソリューション領域

これからのSCM構築においては、リスク分析とガバナンス設計によるESG対応の視点と、適正な所得配分を実現するグローバル税務戦略の視点で、トップ主導の統合アプローチによるSCMとして再構築していく必要があります。その実行において不可欠な経営領域が、M&Aや共同出資による提携などディールを駆使した外部機能の取込み、活用であり、また新しい事業モデルの実効性を担保するための基盤となるのが、データの利活用を含むデジタルテクノロジーを視野に入れたオペレーションです。

KPMG Japan SCALe

(1)事業モデル

事業モデルとは、グローバルに展開されるサプライチェーンの各国・地域において、どの機能を用いていかなる価値を創出するのか、それを自社単独もしくはパートナー企業との協業で行うのか、協業の場合はどのようにスキームを組むのか、そしてどのような収益構造を目指すのか、といった一連の価値創造モデルを意味します。既存のSCMを変革し新たな環境に適応させるためには、事業環境を客観的に見つめ直し、高い視座で検討する必要があります。例えば、進出先市場において、新たな製造拠点もしくはパートナー企業を検討するのみならず、ものづくりからライセンス事業への転換といった根本的なモデル転換も視野に入れて構想することが重要です。

(2)リスク・ガバナンス

企業経営に影響のあるESGの潮流や高い倫理感、グローバルな地政学リスク、サイバーセキュリティなどのメガトレンドを踏まえ、顧客企業ごとに実践的なサプライチェーン上のリスク分析を通じて、経営者の意思決定を支援します。また、SCMをグループ全体でコントロールするためのガバナンスの設計および構築を支援します。リーガルリスクや不正リスク、情報セキュリティ、事業継続などの個々のリスクの専門家が連携し、サプライチェーン全般にわたるサプライヤーや業務委託先の管理や協業を推進することも含め、ESG経営の実践となるSCM構築に貢献します。 

(3)税務

事業戦略の一環に位置づけられた、積極的な税務マネジメントを達成する手段としてのSCMのあり方を提案します。見落とされがちな税務も含めた全体最適なSCMのコンセプトを提示し、企業価値を高めるトップ主導の統合アプローチによるSCM再構築に貢献していきます。

SCMを税務ポジション最適化のツールとして積極的に位置づけ直すことで、グループの税務コンプライアンスの向上のみならず、適正な所得配分の実現を通じた移転価格リスクの低減や関税コストの最適化といった、「付加価値を生み出す税務アドバイス」をSCMコンサルティングの一環で提供していきます。

(4)ディール

ディールは戦略的サプライチェーンの見直し、再編における有効な手段と位置付けられます。M&Aや資本・業務提携といった外部資源や機能の活用を実現するのがディールですが、統合型SCMの構築においては、前提として他のSCMソリューションの専門家と協業しつつ、最適なディール(M&A、カーブアウト、拠点再編)の戦略立案と実行を支援します。また、ディールプロセス(DD、PMI等)において、サプライチェーン上のオペレーション、リスク、税務等の観点から包括的な調査分析、プランニング、実行支援を行うことによって、ディール後の確実な事業価値創出に寄与します。

(5)オペレーション

移動制限を伴う世界的な感染症の拡大や脱炭素社会実現への要請など、より複雑性、不確実性が増す事業環境変化を受けて、既存のSCMは供給力低下、コスト増、資産効率低下に直面しています。その対応策として、拠点の分散化、変化に即応可能なネットワーク内の商物流組み換え、リソース効率の最大化、リモート化・自動化・機械化による拠点投資と機能維持能力の拡充など、サプライチェーンネットワーク構造とオペレーションの見直しが急務です。そこで、ネットワーク再構築案の提示、デジタルツインによる生産工程移管のスピードアップ、標準化の徹底による電子化・自動化、及びそれらの財務インパクトの可視化などにより、サプライチェーン現場と経営を繋ぎ、新時代サプライチェーン構築を支援します。

KPMG Japan SCALeは、これら5つのソリューション領域を多面的に検討することで、モノの流れの視点と商流・税務の視点、攻めの視点と守り(リスクや有事)の視点、オーガニックな視点とインオーガニックな視点など、従来は個別に議論されてきた内容を統合的に検討することで、真にCEO視点での経営戦略を包括的に支援します。

KPMGジャパンについて

KPMGジャパンは、KPMGの日本におけるメンバーファームの総称であり、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる8つのプロフェッショナルファームによって構成されています。クライアントが抱える経営課題に対して、各分野のプロフェッショナルが専門的知識やスキルを活かして連携し、またKPMGのグローバルネットワークも活用しながら、価値あるサービスを提供しています。

日本におけるメンバーファームは以下のとおりです。

有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人、株式会社KPMG Ignition Tokyo

KPMGコンサルティングについて

KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野でサービスを提供するコンサルティングファームです。戦略、BPR、人事・組織、PMO、アウトソーシング、ガバナンス・リスク・コンプライアンス、ITなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

KPMG FASについて

KPMG FASは、企業戦略の策定から、トランザクション(M&A、事業再編、企業・事業再生等)、ポストディールに至るまで、企業価値向上にむけた取り組みを総合的にサポートします。主なサービスとして、M&Aアドバイザリー(FA業務、バリュエーション、デューデリジェンス、ストラクチャリングアドバイス)、事業再生アドバイザリー、経営戦略コンサルティング、不正調査等を提供しています。

KPMG税理士法人について

KPMG税理士法人は、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、東京、名古屋、大阪、京都、広島、福岡を主な拠点に約750の人員を擁する国内最大級の税理士法人です。各専門分野に精通した税務専門家チームにより、多様化する企業経営の局面に対応した的確な税務アドバイス(税務申告書作成、国内/国際税務、移転価格、BEPS対応、関税/間接税、M&A、組織再編/企業再生、グローバルモビリティ、事業承継等)を、国内企業および外資系企業の日本子会社等に対して提供しています。