UK Economic Outlook:英国経済の見通し(2025年9月版)
英国経済の見通しに関する最新レポートでは、世界的な貿易摩擦の増大、増税、インフレおよび金利がもたらす潜在的な影響、英国財政・金融政策に関する分析を掲載しています。
英国経済の見通し最新レポートでは、英国財政・金融政策に関する分析を掲載しています。
Article Posted date
20 October 2025
11月に発表予定の秋の予算案では増税が見通され、企業と家計双方の景況感を押し下げています。インフレと賃金上昇の鈍化により家計所得が圧迫され、今後数四半期にわたり消費が減退する可能性が高いと予測しています。インフレ率は今後も高止まりの状態が続くと見られます。
主なポイントは以下の通りです。
- GDP成長率:2025年初は堅調なスタートであったものの、その後は成長ペースが鈍化し、2025年に1.2%、2026年に1.1%となる見込み。
- 企業投資:世界的な不確実性の高まりと国内の増税が相まって、企業投資の伸びは小幅に留まる可能性がある。公共部門投資が牽引役となり、今年の投資成長率は全体で1.9%に達する見通し。
- インフレ率:今後数ヵ月で4%まで上昇し、2025年末まで同水準で推移すると予想される。2026年初頭から漸減し、年半ばにはイングランド銀行の目標である2%に達する見込み。
- 政策金利:年内に追加利下げが行われる可能性が高く、2025年末までに3.75%となる見込み。2026年以降は利下げペースが鈍化し、中期的に3.25%まで低下する可能性がある。
- 貿易輸出:2025年前半の対米貿易輸出の好調は前倒しによるものと見られ、2025年後半は鈍化することが見込まれる。米国関税が英米貿易を抑制しており、輸出は2025年後半から2026年にかけて低調な状態が続く可能性がある。
- 英国財政:英財務相は、増え続ける財政支出に対応するため、将来にわたり増税を必要としており、難しい舵取りを迫られている。
- 生産性成長:最近の労働生産性の低迷は、知的財産への投資の減少と関連している。こうした傾向は、新技術の導入を難しくし、長期的には生産性のさらなる停滞を招く可能性がある。
レポート全文(英語) は、UK Economic Outlook(英語) をご参照ください。
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