2025年9月:秋の予算案で企業・家計に影響

11月に発表予定の秋の予算案では増税が見通され、企業と家計双方の景況感を押し下げています。インフレと賃金上昇の鈍化により家計所得が圧迫され、今後数四半期にわたり消費が減退する可能性が高いと予測しています。インフレ率は今後も高止まりの状態が続くと見られます。

主なポイントは以下の通りです。

  • GDP成長率:2025年初は堅調なスタートであったものの、その後は成長ペースが鈍化し、2025年に1.2%、2026年に1.1%となる見込み。
  • 企業投資:世界的な不確実性の高まりと国内の増税が相まって、企業投資の伸びは小幅に留まる可能性がある。公共部門投資が牽引役となり、今年の投資成長率は全体で1.9%に達する見通し。
  • インフレ率:今後数ヵ月で4%まで上昇し、2025年末まで同水準で推移すると予想される。2026年初頭から漸減し、年半ばにはイングランド銀行の目標である2%に達する見込み。
  • 政策金利:年内に追加利下げが行われる可能性が高く、2025年末までに3.75%となる見込み。2026年以降は利下げペースが鈍化し、中期的に3.25%まで低下する可能性がある。
  • 貿易輸出:2025年前半の対米貿易輸出の好調は前倒しによるものと見られ、2025年後半は鈍化することが見込まれる。米国関税が英米貿易を抑制しており、輸出は2025年後半から2026年にかけて低調な状態が続く可能性がある。
  • 英国財政:英財務相は、増え続ける財政支出に対応するため、将来にわたり増税を必要としており、難しい舵取りを迫られている。
  • 生産性成長:最近の労働生産性の低迷は、知的財産への投資の減少と関連している。こうした傾向は、新技術の導入を難しくし、長期的には生産性のさらなる停滞を招く可能性がある。

レポート全文(英語) は、UK Economic Outlook(英語) をご参照ください。

KPMG英国では、マクロ経済に関するさまざまなレポートを定期的に公表しています。KPMG英国の"Economics homepage"よりご覧ください。

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過去のレポート

KPMG英国では、英国経済の見通し(UK Economic Outlook Report、2024年7月)最新版をリリースしましたのでご紹介します。

英国経済は2023年後半のテクニカル・リセッションを経て、2024年第1四半期のGDP成長率は0.6%となり、地政学的緊張やサプライ・チェーンに関連するリスクは依然として存在するものの、昨年の経済的低迷からは回復すると予想されます。楽観的な見方ができる理由はいくつかあります。労働市場は引き続きひっ迫した状況にあるものの、インフレ率の低下とともに消費意欲も徐々に回復してきています。また、今夏の総選挙により政治的な不透明感が予想より早く解消されたことで、企業投資が成長の原動力として復活する可能性も見えてきました。

  • GDP成長率は2024年に0.5%、2025年に0.9%と緩やかなプラス成長
  • インフレ圧力の緩和が、2025年末までの3%に向けた金利引き下げを支えている
  • 求人率は軒並み低下しているが、一部のセクターでは依然として賃金上昇の圧力が続いている
     

GDP成長率、インフレ率、金利、労働市場の予測を含む経済見通しに関する詳細な分析については、レポート全文(英語) をご参照ください。


KPMG英国では、マクロ経済に関するさまざまなレポートを定期的に公表しています。KPMG英国の"Macroeconomics homepage"より、ご確認ください。

KPMG英国では、英国経済の見通し(UK Economic Outlook Report、2025年1月)最新版をリリースしましたのでご紹介します。

  • 英国のGDP成長率は2025年に1.7%に達すると予想
  • インフレ率は2025年も2.4%と、高止まりの可能性
  • 段階的な利下げにより、2025年末の基準金利は4%となる見通し

英国のGDP成長率は、2024年の0.8%から、2025年には1.7%に上昇すると予想されます。これは主に、家計消費の回復と財政支出によるものです。しかし、英国経済の長期的な見通しは弱含みで、最新の調査では、企業が国民保険料の増加による追加コストを懸念する等、昨年の秋の予算をきっかけに、全体的な企業景況感がやや悪化していることが示されています。このような状況と一時的な総需要の増加が組み合わさることで、インフレ率の高止まりが長期化する可能性があります。2025年から2026年にかけては2~3%の範囲で推移し、2027年にはイングランド銀行の目標である2%に戻るものと予想されます。それに伴い、イングランド銀行は基準金利の引き下げに対してより慎重なアプローチを取るものとみられ、2025年末までに金利は4%まで低下する可能性があります。

KPMGの「英国経済の見通し 2025年1月版」では、GDP成長率、インフレ率、金利、個人消費に関する完全な予測を提供しています。また、英国の財政・金融政策、および米国の関税が及ぼす可能性のある影響についても考察しています。

さらに、英国経済やビジネス戦略に大きな影響を及ぼす変化について、企業が理解を深めるのに役立つ経済見通しを、KPMG英国のマクロ経済のウェブページ “Macroeconomic strategy”(英語)で定期的に発表しています。

KPMG英国では、英国経済の見通し(UK Economic Outlook Report、2025年4月)最新版をリリースしましたのでご紹介します。
  • 貿易環境の不確実性と増加する税負担が、今年の英国経済成長の下方リスクとなっている
  • 健全な家計貯蓄と堅調な公共支出が2025年の経済実績を支えると予想されるが、関税の賦課により、2025年と2026年の英国のGDP成長率は0.8%に減少する可能性がある
  • 人件費の増加や、エネルギー価格の上昇により、短期的にはインフレ率が上昇すると予想されるが、2026年半ばにはイングランド銀行の目標である2%に戻る見通しである
  • 金利は中立金利を上回る水準で推移すると予想されるが、金融政策委員会(MPC)は金融政策を徐々に緩和し、2025年には3回の利下げ、2026年にはさらに2回の利下げが予定されている
  • 労働コストの上昇と企業景況感の低迷により労働市場は弱含みとなっており、賃金上昇圧力は緩和されると予想されるが、同時に失業率はわずかに上昇する可能性がある
  • 政府は成長戦略を推進しながら財政規律を維持するという大きな課題に直面しており、財政の余裕は依然として乏しく、格下げのリスクも高いと予測される

英国経済の見通し(2025年4月版)では、世界的な貿易摩擦の拡大がもたらす潜在的な影響と、英国の財政・金融政策への影響について考察しています。
GDP成長率、インフレ率、金利、労働市場の予測を含む経済見通しに関する詳細な分析については、レポート全文(英語)をご参照ください。

さらに、英国経済やビジネス戦略に大きな影響を及ぼす変化について、企業が理解を深めるのに役立つ経済見通しを、KPMG英国のマクロ経済のウェブページ“Macroeconomic strategy”(英語)で定期的に発表しています。

英国経済はエネルギー価格の見通しの改善、堅調な世界経済の回復等により、景気後退を回避する可能性が高いとされています。しかし、英国の経済成長は依然として弱く、2023年のGDPは実質0.3%にとどまっています。

  • KPMGでは、ヘッドラインインフレ率が2023年第4四半期までに5%、2023年には平均7.7%、2024年には2.9%になると予想しており、2023年の失業率は4.1%、2024年の失業率は4.5%と予測している
  • インフレ率はピーク時と比較し低下しているが、エネルギー価格の下落と比較すると緩やかである
  • インフレ率は当面は低下を続けると予測されるが、借入コストは長期的に上昇し、経済活動を抑制する可能性が高くなっている
     

英国の経済見通しに関するより詳細な分析については、こちらをご覧ください。
UK Economic Outlook – June 2023(PDF:246KB)