金融庁、スチュワードシップ・コード第三次改訂版を公表

2025年6月26日、金融庁は、「『責任ある機関投資家』の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~」の第三次改訂版を公表しました。

2025年6月26日、金融庁は、「『責任ある機関投資家』の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~」の第三次改訂版を公表しました

改訂の主なポイント

スチュワードシップ・コードは2014年2月の策定以後、これまでに2度改訂が行われていますが、コーポレートガバナンス・コードと合わせて、コーポレートガバナンス改革には一定の進捗が見られています。

他方、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、形式的な対応にとどまることなく、企業と投資家の双方における自律的な意識改革に基づくコーポレートガバナンス改革の実質化が重要である、との指摘を踏まえ、今回、スチュワードシップ・コードの第三次改訂版が公表されました。

今回の改訂では、大量保有報告制度における「共同保有者」の範囲の明確化を含む金融商品取引法等の改正も踏まえつつ、協働エンゲージメントの促進及び実質株主の透明性向上に向けた見直しが行われています。

また、本コードでは、初の試みとして、コードを受入れ表明する署名機関の自律的な意識改革の促進を期待して、「プリンシプルベース・アプローチ」の原点に立ち返り、本コードのスリム化/プリンシプル化のための見直しも行われています。

インベストメント・チェーンを構成する各主体に対して様々な取組が求められる中、スチュワードシップ活動の実質化を後押しする本コードは、 コーポレートガバナンス改革において重要な役割を担っています。

今回の改訂コードでは、協働エンゲージメントの促進及び実質株主の透明性向上に向けた見直しが行われており、投資家と企業の「緊張感のある信頼関係」に基づいた対話がより一層実効的なものとなっていくことが期待されます。

PDFの内容

  1. 公表の経緯
  2. 改訂の主なポイント
  3. 改訂についての金融庁の考え方
  4. パブリックコメントを踏まえた対応

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
会計・開示プラクティス部
パートナー 和久 友子
パートナー 前田 啓
シニアマネジャー 木名瀬 光行

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