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昨今、ビジネス環境は変化が目まぐるしく、予測困難な状況にあります。地政学的な緊張や地域紛争、経済の停滞、そして急速に進むテクノロジー革新などにより複雑化しており、多くのCEOにとって頭痛の種となっていることでしょう。

しかし、製造・自動車業界のリーダー240人の見解を調査した「製造・自動車業界インサイト:KPMGグローバルCEO調査2024」によると、CEOの関心は成長戦略に向けられており、おおむね楽観的です。

製造・自動車業界は劇的な発展を遂げ、国家の主要産業となっています。また、地域社会においても、中心産業としてさまざまな雇用を創出しています。

こうしたことが、多くの圧力のなかでも明るい未来を期待する背景となり、 CEOは課題を認識しつつも、目前の機会獲得に自信を持っています。

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KPMG 2024 Industrial Manufacturing and Automotive CEO Outlook



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エグゼクティブ・サマリー

製造・自動車業界のCEOは、厳しい局面に立たされながらも、自社の成長への自信を強く持っており、今後、多くの機会 を得られると考えています。成長は、組織拡大によるオーガニックな成長と、積極的なM&Aや提携 、ジョイントベンチャー(JV)によるインオーガニックな成長の両面において加速する見込みで、このような取組み は、企業の新たなテクノロジーの導入やサプライチェーンの多様化において、重要な役割を果たします。

これらの業界のCEOは、人工知能(AI)などの新たなテクノロジーに可能性を見出しており、自社のビジネスに取り入れることで、よりスマートな製造プロセスの実現などの 生産効率の向上や最適化を期待しています。生成AIに関しては、セキュリティ、データプライバシー、データ保護などのリスク管理の重要性も認識しており、強力なガバナンス体制と、新たなツールを活用できる人材育成が必要とされています。

喫緊の課題であるサプライチェーンにおいても、リスク管理の重要性は認識され ており、CEOは、レジリエンスと信頼性の向上に向け、バリューチェーン全体の可視化の強化が必要と考えています。また、サプライチェーンは、もう1つの戦略的優先事項であるESGおよび脱炭素化においても重要な視点となります。CEOは、ネットゼロの取組みにおいて、サプライチェーン全体の脱炭素化は最大の課題と認識しており、 資源配分の決定にESGの取組みに注力しています。CEOは重要な課題に公然と立ち向かい、地域社会やステークホルダーとの関係構築が必要であると認識しています。

人材もまた取り組むべき課題の1つです。CEOは、AI革命に対応するため、従業員を支援し、必要なスキルを習得させることの重要性を認識しています。ダイバーシティとインクルージョン(D&I)の推進は引き続き重視されており、すべての人材が活躍できる職場の実現に向け、さらなる取組みが求められています。

経済的不確実性、地政学的緊張、そして破壊的変化の時代のなかで、取り組むべき課題は山積しています。しかし、製造・自動車業界のCEOは、自身の手で道を切り開き、成功する未来を築くことに自信を持っています。

調査結果:重要な4つのポイント

製造・自動車業界のCEOは、AIに大きな期待を持ち、世界的な混乱を乗り越えようとしています。

製造・自動車業界インサイト:KPMGグローバルCEO調査2024図表1