将来を見据えて
消費財企業向けにサプライチェーンの将来を考える場合、次の3項目が重要です。
顧客を中心に考える
消費財業界では、全体を巻き込むディスラプション(創造的破壊)が迫るなか、商品、ブランド、サプライチェーンと消費者との関係が変化しつつあります。消費財企業には、サプライチェーン・パートナーとの連携だけでなく、顧客をサポートし、オムニチャネルなサプライチェーン・エクスペリエンスを実現する機会があります。
- サプライチェーンを再構築する
- 提供商品を変える
- 計画と予測
プラットフォームを効率的に利用する
オンラインで購入した商品を迅速に配達してほしいという消費者の期待に、多くのブランドが取り組んでいる現在、消費財業界のサプライチェーンには、非従来型のプラットフォームの利用が不可欠です。
モバイル化・デジタル化された未来はすでに到来しており、企業は消費者との接点を増やすため、提携関係を構築する新たな方法を見つける必要があります。
- 変化を先んじる
サステナビリティの重要性を理解する
環境、社会、ガバナンス(ESG)に関する実績やブランドポジショニングは、顧客中心主義を維持しながら、ブランドプロミスを遂行・実現する消費財企業にとって、差別化要因となりつつあります。
購入を決める際、顧客はブランドの目的や評判、品質、安全性、安心感、利便性、信頼性、費用対効果を重視するようになっています。
- エンド・ツー・エンドの可視性
- 特に消費財企業が検討すべきESG上の考慮事項
成功へのロードマップを策定する
サプライチェーンのビジョンの実現には、鍵となる3つの分野に焦点を当てたロードマップの策定が有効です。
1.戦略を明確化する
自社のサプライチェーン機能をどのように構築するか(自社開発するか、外部委託するか、買収するか)を検討します。
検討すべきは次の4領域です。
- チャネル管理の刷新
- サプライチェーンの応答性の向上
- システム改革
- D2Cなど、代替的サプライチェーン・インフラの導入
2.複雑性のコストと多様性の価値を理解する
商品にとって収益性が高いチャネルや配送方法を正しく見定めるには、供給コストとセグメンテーションの最適化に関する高度な分析が必要です。分析から得られた知見により、採算性を維持しながら、顧客のニーズを満たすことを目的とした、商品とサービスの最適ポートフォリオミックスを決定します。
次に、データインテグリティ(データ全体の完全性)を確保するためのガバナンスが必要です。すべてはマスターデータの保守をきちんと実施できるかどうかにかかっています。
3.データを活用して能力、可視性、透明性を向上させる
顧客の視点に立つと、消費財企業が頼りにするプレシジョン・マーケティング・モデルは、データとコンテキストを組み合わせ、誰が消費者で、それぞれのカスタマージャーニーのどの段階にいるのかを理解することにほかなりません。
サプライチェーン内の仲介業者が、サプライチェーンを横断する可視性の障壁となる場合が多く、それによって取引データや情報へのアクセスが制限されるおそれがあります。21世紀のサプライチェーンが持つ複雑性に対処可能な、高速で、相互接続性が高く、大量のデータを収集できるソリューションを見つけることが対応策になるでしょう。
成功に向けた準備:チェックリスト
失敗の準備をするのではなく、消費財企業として成功する用意を整えましょう。実施済みのものをチェックし、現状を把握することによって、サポートが必要な部分を特定してみましょう。
- 顧客が何を望んでいるのかを知っており、それに応じて行動しているか。
- 変革を達成するため、アジャイル(機敏な)経営を心がけているか。
- 迅速に対応し、リスクを管理するだけのレジリエンスがあるか。
- インパクトを最大化するため、人によるサービスを温存しているか。
- 自社の目標を達成するために新たなテクノロジーを活用しているか。
こちらは「KPMG Japan Insight Plus」会員限定コンテンツです。 会員の方は「ログインして閲覧する」ボタンよりコンテンツをご覧ください。 新規会員登録は「会員登録する」よりお手続きをお願いします。 |
競合他社の方は、登録をご遠慮させていただいております。
英語コンテンツ(原文)