Article Posted date
24 August 2022
サマリー
NFTビジネスが主要メディアで取り上げられるなかで、大手企業はこの一大チャンスをどう活用すべきか検討しています。
NFT戦略が成功すれば、次のような利点が得られます。
- 既存IPに関する新たな収益化の選択肢
- 新しいコンテンツ、IP、ブランド・ストーリーを扱う巨大成長市場
- 新しい形態の顧客エンゲージメントとコミュニティ構築
- 熱心なファンの参加の促進策の強化
- 新たな領域でブランド認知と顧客エンゲージメントの向上を図る機会
マーケットの現況
NFT市場が急速に拡大しており、さまざまな業界の企業がNFTマーケットプレイスに進出しています。DappRadar社によると、NFTの取引高は2020年の9,500万ドルから2021年には230億ドルを超え、対前年比24,000パーセントに急増しています。
メディア、ゲーム、スポーツ関連の事業領域がNFTの活用に向け準備を進めており、NFT市場にもたらすものには、次のようなものがあります。
- メディア業界:豊富なコンテンツライブラリーとブランドに対する強い想起
- ゲーム業界:デジタルネイティブ顧客層と、デジタルコンテンツ「経済圏」
- スポーツ業界:コアなファン層、著名アスリートとそのサポーター、地域・国家・世界レベルのプレゼンス
ビジネスチャンスである一方で、NFTには特有のリスクが伴います。
- 実行面のリスク:NFTを成功させるには、時間、経営資源に加えて、組織的な対応を行う必要がある。
- ブランドリスク:「高価な粗悪品」や偽物が空間に出品されると、NFT愛好者やヘビーユーザーがいち早く見つけて非難することになる。
- 技術、コンプライアンスに関するリスク:サイバー、規制、詐欺、税務、財務報告などの基本的な分野におけるリスク管理や防止策など。
- 市場リスク:評価が移り変わりやすく、Web3のような大きなトレンドと相関性があるため、短期的な業績予測が困難。
KPMGのNFT戦略策定フレームワーク
KPMGのNFT戦略分析フレームワークでは、「マーケットプレイスの管理(X軸)」と「双方向の顧客対応(Y軸)」から成るX-Y(二軸)分析を採用しています。
マーケットプレイス顧客体験の管理
企業は、他社のツールやNFTマーケットプレイスを活用するか、または独自のシステムを設計して顧客のNFTマーケットプレイスを管理するか、を決断する必要があります。
X軸の範囲:
- 影響力が低い:OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスに出品される商品は、広範囲にわたり、企業の集中管理が及ばなくなります。
- 影響力が高い:企業は、販売、取引、展示目的のマーケットプレイスを独自に、または他社と提携し構築します。
双方向の顧客対応
Y軸には、次の特徴があります。
- 双方向性が企業低い:デジタルトークンを発行すると、アート作品、記念品、音楽、その他のデジタル資産がそれと紐付けられます。
- 双方向性が高い:デジタルトークンには、会場最前列でのコンサート鑑賞、各種イベントのVIPチケット、ゲームのプレイなどのユニークな顧客体験という特典が付随します。
動機と知見
KPMGでは分析フレームワークを活用できるよう、質問リストを作成しました。質問リストは4つの要素(NFT ACCTグリッド)を関連付けるべく作成されています。
- 目標NFT:マーケットプレイスへの進出を検討する理由を尋ねています。
- 顧客:どの顧客層を中核とするか、メディア企業がNFT所有者とどのような関係を維持したいかを問うものです。
- コンテンツ:メディア企業は、NFTサービスにどの程度デジタルライツ(所有権)を紐付けるかという問題に対処しなければなりません。
- 技術:NFTを採用する企業は、どの技術を活用して、将来的な売買や所有のようなマーケットプレイスにおける継続的な取引に関する記録、保証、維持について検討する必要があります。
KPMGの支援体制
KPMGは柔軟かつ拡張可能な方法論を使用し、NFTという新たな事業領域からビジネスチャンスを獲得できるよう、以下の観点から最適化支援を行います。
- ビジネスモデル構築
- オペレーションモデル、支援体制およびプロセスの設計
- 技術戦略とパートナーシップ
- リスク管理の枠組み
- 税務、規制、コンプライアンスに関する検討事項
英語コンテンツ(原文)
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