エグゼクティブサマリー

The Consumer Goods Forum(以下、CGF)は、個々の消費財小売業者と業界全体をより持続可能なものにするための行動にコミットすることによって、企業が時代を先取りする方法を提供する組織です。COVID-19にもかかわらず、CGFのメンバーは迅速に適応し、業界とそのステークホルダーの短期的・長期的なサステナビリティに影響を与える重要課題に取り組んできました。

本報告書は、CGFの使命、メンバー企業のコミットメント、そして業界の強靭さを証明するものです。

行動へのコミット

CGFは、8つの検討分科会に関するガバナンス構造を一新し、独自の変化を遂げました。各分科会は環境的・社会的サステナビリティ、ヘルス&ウェルネス、食品の安全性、データの正確性/エンドツーエンドのバリューチェーンといった重要な目標を、業界がより迅速に達成できるよう取り組んでいます。

  • 業界を変化の最先端に押し出す
  • 変化の追い風を受けて
  • 課題と機会
  • インパクトを獲得する
  • 今後の展望

包摂性と大きなインパクトを目指して

業界に課せられた重要なミッション

CGFの目的は、長期にわたりサステナブルにビジネスを成長させることです。2021年の最優先事項は、「大きなインパクトを実現するには何が必要か」に関する合意形成であり、2番目は「包摂性と代表参加者の拡大」でした。

大きなインパクトとはどのようなものか

私たちは、多様な人々による、包括的なアプローチを必要とするテーマ(食品の安全性と品質、サーキュラーエコノミーの加速、サプライチェーンソリューションへのエンドツーエンドの支援、消費財製品とサービスの責任ある持続可能な管理、人々の健康とウェルビーイング)を重視しています。

2021年は、プラスチック廃棄物削減のために新たなパッケージデザインのガイドラインが策定・採用されるなどの進展がありました。

メンバー企業の価値を保証する

CGFは、メンバー企業がすぐに応用できるような新たなイノベーションや業界全体に向けたソリューションの紹介といった価値の提供に努めています。

旅路の次のステップ

CGFのプラットフォームは業界の基準を高め、消費者の信頼を築き、サステナビリティの共通課題を克服して、業界で事業を行う社会的資格の確保を目指しています。包摂性と大きなインパクトは車の両輪のようなものです。業界を巻き込むことができれば、私たちは目標を達成できるでしょう。

CGF分科会 各分科会の報告

食品廃棄物 検討分科会

持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット12.3「2030年までにサプライチェーン全体における食品廃棄物を半減する」に向けた取組みや、削減努力の成果報告についての活動を強化しました。

フォレストポジティブ(森林の保護、再生、管理)検討分科会

「2030年までに、分科会生産拠点の合計面積に相当する生産ランドスケープエリアをフォレストポジティブに転換する」という戦略の第1段階に入りました。また、分科会初となる年次報告書「Nurturing Transparency: On the Path to Forest Positive」も発行しています。

世界食品安全(GFSI) 検討分科会

食品安全性については、世界食品安全イニシアチブ(GFSI)のフレームワーク「頂点へのレース」の最初の4項目すべてにおいて、大きな進展がありました。特筆すべきは、項目1において、監査員資格と専門家育成の手法を再考した点です。ステークホルダーと協議の末、11月には新たな「専門家認定機関(PRBs)向けGFSIベンチマーク要求事項」が導入されました。

より健康な暮らしのための協働 検討分科会

「パンデミックで最も痛手を受けた人々の健康や経済状況にかかる負荷を軽減するため行動しよう」というCEOたちの呼びかけのもと、メンバー企業は脆弱なコミュニティの支援のために連携し、世界規模の取組みを実施しました。その一環として、世界各地のフードバンクやコミュニティプログラムを通じ、より健康的な食品やパーソナルケア製品を入手しやすくするための取組みなど、脆弱なコミュニティへの支援のため行動拡大を呼びかけました。

強制労働撲滅に向けた人権 検討分科会

CGFが強制労働根絶に向けて2015年に採択した業界初の決議案に基づき、メンバー企業が世界中で公正で適正な労働条件の実現に取り組んできました。個別および共同での行動を通じ、メンバー企業は人権デューデリジェンス強化や責任ある採用活動・報酬制度を推進し、自社内およびサプライチェーン上の強制労働の排除を進めています。

プラスチック廃棄物 検討分科会

プラスチックの循環性向上に向けて、包装材に関する9ヵ条からなる「デザインのゴールデンルール」を策定し、導入を進めています。メンバー企業は、2025年までにこのゴールデンルールを導入し、毎年進捗報告することを誓約しています。

製品データ 検討分科会

分科会は、製品データに関する業界全体での統一化を実現するために設計された5つの主要プロジェクトを前進させるなど、2021年を通して著しい成果を挙げています。

持続可能なサプライチェーン 検討分科会

持続可能なサプライチェーンイニシアチブ(SSCI)は、世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)と連携し、社会的コンプライアンスベンチマークツールを開発しました。同時にSSCIは、「海洋活動」と「一次産業」分野のベンチマーク要件を公開したことで、SSCIの社会的コンプライアンス基準のベンチマークが、漁業、農業、水産養殖分野に開かれました。

サステナビリティに向けた協働とコミットメント

戦略的な持続可能性の実現は、KPMGが日々展開している行動の中核をなすものです。KPMGは環境、社会、ガバナンス(ESG)分野のグローバル戦略を加速するため、プログラムを立ち上げました。KPMGの専門家がポジティブな変化を生み出せるようにする能力開発の取組みから、クライアントやCGFのような組織との関係を支えるサービスまで、ESGは、KPMGおよび傘下企業に共通のウォーターマークとなるでしょう。

英語コンテンツ(原文)

Collective action today, impact at scale tomorrow

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