IPOマーケットレポート(6/24~7/5)

東証グロースに3社の新規上場が行われました。

東証グロースに3社の新規上場が行われました。

1.直近のIPOの状況

上場日 会社名 事業内容 市場 主幹事 売上高 公開価格 初値
時価総額
監査法人 経常利益 初値
6/27 豆蔵デジタルホールディングス 企業のデジタル競争力を高めるためのクラウドコンサルティングサービス等 東G SMBC日興 8,859 1,330 21,635
EY新日本 1,589 1,348
6/28 ロゴスホールディングス デジタルマーケティング集客およびDXによるオペレーションを活用した注文住宅事業 東G SMBC日興 28,026

2,290

8,948
三優 ▲ 140 2,290
7/2 PRISM BioLab 独自の創薬基盤を用いた新規医薬品の研究・開発 東G SMBC日興 113 450 17,288
あずさ ▲ 498 489

※売上高・経常利益は、直前期の数値。また、単位は、売上高・経常利益・時価総額は百万円、公開価格・初値は円で記載。
※国際財務報告基準(IFRS®会計基準)により、財務諸表を作成している会社は経常利益に代えて税引前当期利益を記載。
※市場区分については、東G(東証グロース)を表示。

2.IPO市場の概況

東証グロースに3社の新規上場が行われました。

6月27日に東証グロースに上場した豆蔵デジタルホールディングスは、同社および連結子会社3社により構成され、AIソフトウェア工学やロボット工学を駆使したプラットフォームを提供し、顧客企業のデジタル化を支援する事業を展開しています。知識集約型の独自のビジネスモデル「豆蔵Way」により、各種技術の活用経験を蓄積・体系化し、多種多様な高度人材の獲得を実現しています。
クラウド技術を活用した内製化推進やERP導入などを手掛ける「クラウドコンサルティング」、AIによるデータ利活用や生成AI導入を支援する「AIコンサルティング」、工場の自動化などを進める「AIロボティクス・エンジニアリング」、自動運転技術や先進運転支援システムなどを扱う「モビリティ・オートメーション」を展開しています。 同社は2020年にMBOにより上場廃止した豆蔵ホールディングスを前身として、組織再編により設立され、再上場を果たしました。こちらの初値は公募価格を約1.4%上回りました。

6月28日に東証グロースに上場したロゴスホールディングスは、同社および連結子会社5社により構成され、北海道・東北を中心に注文住宅販売事業を展開しています。土地や気候に合わせた建築と手が届きやすい価格を特徴に2023年の北海道札幌市の住宅建築確認申請数ではトップシェアを獲得しました。同社はロゴスホームが上場を目指す際に、投資先とともに経営課題に取り組んでいく手法を採用する投資ファンドが経営参画したことで、組織再編により2020年に設立されました。デジタルマーケティングや「移動時間をゼロにする家づくり」をテーマにオンライン対応や施工管理アプリを活用することで、コスト削減と生産性向上を実現しています。今後は、全国の地方工務店の合併・買収によって市場シェアの拡大を目指しています。こちらの初値は公募価格と同値となりました。

7月2日に東証グロースに上場したPRISM BioLabは、創薬が困難とされていた標的に対して、がん分野などにおいて新薬の研究開発をしています。基盤となる独自の「PepMetics技術」を活かし、安定的で選択性が高い低分子化合物でたんぱく質の構造を高精度に再現し、この化合物で疾患の原因となるたんぱく質を狙って働きかけます。新薬候補の自社開発事業ではエーザイ、大原薬品工業と提携し、ライセンスアウト契約を結んでいます。両社のパイプラインは臨床試験段階に進んでいます。また、大手製薬会社との共同開発事業を展開し米メルクやイーライリリー、小野薬品工業などと提携し、契約一時金を収受し、今後はマイルストーン、共同開発費、上市後の売上に対するロイヤリティなどが期待されます。こちらの初値は公募価格を約12.3%上回りました。

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3.市場別IPO社数(上場承認公表ベース:年初からの累計)

(7/5上場承認公表分まで)

合計 東証プライム 東証スタンダード 東証グロース その他
45社
0社 7社 38社 0社
シェア 0.0%
15.6% 84.4% 0.0%

4.初値騰落率(平均)の推移(直近2年間の四半期ベース)

IPOマーケットレポート(6/10~6/21)-1

※直近四半期(24年3Q)については、2024年7月5日時点の新規上場社数を記載し、初値騰落率については(初値-公開価格)/公開価格にて算出した、各四半期の新規上場会社の初値騰落率の平均値を記載。

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