Market Check!:セクター別EV/EBITDA倍率トレンド
ハード中心からソフト中心のセクターまで、6セクターをピックアップして、日米中の主要市場のマーケット・マルチプル定点観測データを提供します。
ハード中心からソフト中心のセクターまで、6セクターをピックアップして、日米中の主要市場のマーケット・マルチプル定点観測データを提供します。
M&A市場を計る マーケット・マルチプル動向
M&Aは企業の成長戦略を実現していく上で重要なツールであり、日本企業による国内M&A、クロスボーダーM&Aは共に増加を続けています。自社の属するセクターのみならず、近年加速するクロスセクターのM&Aに関する参考情報としてもお役立てください。
セクター別 EV/EBITDA倍率推移チャート:日本
Points!
2020年6月以降コロナ禍からの回復期待で順調に上昇してきていたEV/EBITDA倍率だが、21年4-6月期には多くのセクターにおいて横ばい、あるいは減少トレンドとなった。
コロナ禍の世界的な長期化懸念による株式市場の停滞と、企業業績の回復遅延懸念の双方が影響しており、倍率停滞の傾向は21年後半まで続く可能性がある。
中国のIT・インターネットセクターでの大幅な倍率上昇は、参照している株価インデックスの構成銘柄の追加(SHA: 688111, Beijing Kingsoft Office Software)の影響による。
セクター別 各国比較EV/EBITDA倍率推移チャート :日本・米国・中国
EV/EBITDA倍率
EV( 企業価値)がEBITDA(利払前税引前償却前利益)の何倍かを示す指標
※本分析では、EVを時価総額+有利子負債総額で算出。EBITDAは直近12ヵ月の値。
分析対象銘柄数
<区分> | 日本 | 米国 | 中国 |
---|---|---|---|
エナジー・公共事業・通信 | 17 | 64 | 14 |
素材・資本財 | 108 | 96 | 73 |
自動車・耐久消費財 | 35 | 14 | 18 |
消費財・小売 | 63 | 51 | 27 |
IT・インターネット | 24 | 41 | 8 |
医薬・ヘルスケア | 26 | 64 | 36 |
算出方法
日米中の代表的な株価指数(JPX日経400:S&P500:CSI300)の構成銘柄について、GICS(世界産業分類基準)をもとにKPMGで定義した6セクター「エナジー・公益事業・通信」、「素材・資本財」、「自動車・耐久消費財」、「消費財・小売」、「IT・インターネット」、「医薬・ヘルスケア」に分類し、経年のEV/EBITDA倍率をチャート化しています。
データ出所
Capital IQ、Bloomberg