5Gとエッジコンピューティングが創出する価値 - 新たなエコシステムによる世界経済回復のシナリオ

5Gとエッジコンピューティングの連携による新たなエコシステムが創出する価値について解説します。

5Gとエッジコンピューティングの連携による新たなエコシステムが創出する価値について解説します。

5Gの導入はCOVID-19以前から期待されてきましたが、現在はさらにその期待が高まっています。5Gは主要産業において4兆3,000億米ドルの価値を創出すると推定され、多岐の業界にわたって企業の事業課題の解決、バリューチェーンの再構築、収益モデルの強化、経営の最適化をもたらします。そして、クラウドではなく、エッジにおける5Gとコンピューティングの連携は、革新的な価値創造の中核となり、5Gの実装を成功させるために不可欠な要素となるでしょう。

ポイント

  • 5Gとエッジコンピューティングの相乗効果によって、制約のないストレスフリーのコミュニケーションが可能となり自動運転車や遠隔医療など高い信頼性が必要とされるアプリケーションを実現可能なインフラが整備される。
  • 5G+エッジコンピューティングによるエコシステムを構成するコネクティビティ・ハードウェア・ソフトウェア・サービスが創出する価値は、5つの業界(製造業、ヘルスケア、交通・物流、公共安全、ゲーム)全体で2023年までに5,170億米ドルに達すると見込まれている。

5Gとエッジコンピューティングの親和性

5G+エッジコンピューティングの組合せの潜在能力を十分に理解して利用することにより、エコシステムにおける経済的な価値は著しく大きなものになります。

価値を引き出すための重要な要素

価値を引き出すための重要な要素

エッジコンピューティングは、処理能力をユーザーに近づけることで、高い信頼性が必要とされるアプリケーションに対して大容量のデータを低遅延で送受信するインフラを提供します。現在の4G+クラウドの組合せでは、クラウドでデータを集中処理するため、処理速度が低下します。しかし、5G+エッジコンピューティングの組合せにより、帯域幅と遅延を劇的に改善し、制約のないストレスフリーなコミュニケーションを提供できるようになる可能性があります。

5G+エッジエコシステム

5G+エッジコンピューティングにより出現するエコシステムは4つの柱(コネクティビティ、ハードウェア、ソフトウェア、サービス)に基づいて構築されています。これらの製品とサービスの開発および顧客への提供には、複数のプレイヤーが関与しているが、互いに協力関係にある一方、収益のシェアに関しては競争相手でもあります。

5G+エッジエコシステム

5G+エッジエコシステム

5G+エッジコンピューティングが創出する市場規模

5Gとエッジコンピューティングの連携によりコネクティビティが大幅に改善し5つの主要業界(製造業、ヘルスケア、交通・物流、公共安全、ゲーム)を合わせた市場価値は、2023年に5,170億米ドルに達すると見込まれます。しかし、通信事業者は従来の収益源であるコネクティビティのみでは全体のおよそ11%(550億米ドル)しか占めておらず、5Gとエッジコンピューティングが持つ巨大な市場を活用していくための対策が必要となります。

5つの業界全体における5G+エッジコンピューティングのエコシステムの規模は5,170億米ドル(2023年予想)

5つの業界全体における5G+エッジコンピューティングのエコシステムの規模は5,170億米ドル(2023年予想)

先駆者がより多くの果実を獲得する

KPMGは、5Gとエッジコンピューティングは次の産業革命でもたらされるプラットフォームと考えています。今日、大きな成功を収めた大手テクノロジー企業は、2008年の金融危機後、組織のデジタル化のために積極的に投資を行いました。金融危機が収まった時には、顧客に新しいデジタル体験を提供する準備ができており、驚異的なペースで成長を続けてきました。エコシステムを通じて最大の価値を得るために、通信事業者にとっては、現在のタイミングにおける5Gとエッジコンピューティングへの投資が成功の分岐点となるのかもしれません。

5G+エッジコンピューティングの世界で先駆者となるために、KPMGは次の5つのステップを提案します。

  1. 未来に目を向ける
  2. 新しいパートナーを作る
  3. 大胆に投資を行う
  4. 未来を想像する
  5. 今すぐ開始する

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