IFRS第9号のヘッジ会計~ケースで学ぶIFRS第7号の開示の作成方法~
本冊子は、IFRS第9号「金融商品」のヘッジ会計を適用した場合のIFRS第7号「金融商品:開示」に基づく開示の作成方法にについて、ケース・スタディ方式で説明しています。
本冊子は、IFRS第9号「金融商品」のヘッジ会計を適用した場合のIFRS第7号「金融商品:開示」に基づく開示の作成方法にについて、ケース・スタディ方式で説明しています。
IFRS第9号の導入により、ヘッジ会計関連の開示は定量開示を中心に大きく拡充されています。
本冊子では一般的な事業会社がヘッジ取引を取り上げ、その会計処理から定量開示の作成までを設例に基づき解説しています。
対象として取り上げた取引は以下の3点です。いずれもヘッジ対象とヘッジ手段の条件は完全にマッチしているヘッジ取引を設例としています。
変動金利で借入れを行い、これを金利スワップを使って固定金利に転換しているケース
(日本基準で、金利スワップの特例処理の対象となるようなヘッジ取引)
- ─変動金利のうち、ベンチマーク金利部分のみを取り出してヘッジ対象とする場合について説明しています。
- 経過利息が生じないケース(金利更改日が期末に一致するケース)についてまず説明し、その後、経過利息がある場合の追加留意点を解説しています。
ドル建ての予定仕入取引に対して為替予約を締結し、決済日までの期間につき為替リスクをヘッジするケース
(日本基準で、為替予約の振当処理の対象となるようなヘッジ取引)
- 為替予約の直物要素をヘッジ手段として指定し、直先差額に「ヘッジのコスト」処理を適用している場合について説明しています。
ドル建変動利付借入を行い、これを金利通貨スワップを使って円建固定利付きの円資金に転換しているケース
(日本基準で、金融商品会計Q&AのQ56にある「一体処理」の対象となるようなヘッジ取引)
- 金利通貨スワップの通貨ベーシスをヘッジ手段指定から除外し、通貨ベーシスには「ヘッジのコスト」処理を適用している場合について説明しています。
なお、開示対象数値の作成を主な解説の対象としているため、会計処理についての説明は、開示に必要な限りでしか行っていません。会計処理については適宜解説書などをご参照ください(参考:IFRSの改訂ヘッジ会計 会計編)。
また、デリバティブなどの公正価値算定方法については説明の対象としていません。使用されている設例のパラメータはわかりやすさを優先しているため、一部市場実勢とは異なる設定となっていることをご了承ください。
各ケースの構成は以下のとおりです。
- 取引例
- ヘッジの会計処理
- 表示
- 注記例
なお、会計処理、表示、注記例について各表に参照番号を付し、それぞれの繋がりが分かるよう記載しています。
PDFの内容
- IFRS第9号ヘッジ会計に関連する開示規定の概要
- 変動金利付借入金の金利支払額の変動をヘッジするケース
- 外貨建仕入れの予定取引から発生する為替リスクを 為替予約でヘッジするケース
- 外貨建変動利付借入金の金利リスクと為替リスクによるキャッシュフローの変動を金利通貨スワップでヘッジするケース
執筆者
IFRSアドバイザリー室
ファイナンシャルサービス本部