IFRS第16号「リース」 ~適用に向けて~ シリーズ2:リースの定義
本冊子はIFRS第16号の対象となる「リース」とは何か、を説明しています。
本冊子はIFRS第16号の対象となる「リース」とは何か、を説明しています。
ハイライト
その取引は「リース」か?
「IFRS第16号は既存のオペレーティング・リースをオンバランスする基準」といった漠然とした先入観が先行していないでしょうか?
日本でリースというと、いわゆる「リース契約」、もしくは不動産の「賃貸借契約」などが思い浮かぶかと思います。しかしながら、IFRSが「リース」と考える取引の範囲はもっと広いものです。
旧基準ではリースに該当したとしても、オペレーティング・リースに分類されればオフバランス取引だったため、取引がリースに該当するかどうかよりも、リースがファイナンス・リースかオペレーティング・リースかのほうが重要な論点でした。
しかし、新基準は大きく異なります。
リースに該当する取引は基本的にすべて、借手によってオンバランスされることとなりました。
その結果、リースをどう判定するかは、旧基準と比べて、より重要な意味を持つこととなりました。
また、リースの定義そのものも、新基準では新たなガイダンスが追加され、必ずしも旧基準と同じ結論とは限らない状況となっています。
多くの場合、取引がリースに該当するか否かは明らかです。しかし、取引がリースに該当するか、もしくはリースを含むかの判断は、時に非常に難しいものであり、その財務諸表における影響も軽微とは限りません。
あずさ監査法人はIFRS第16号の公表を受け、2016年2月に日本語解説資料『IFRSの新リース会計 ~概説 IFRS第16号~』をリリースし(翌3月に米国の新リース基準を取り込むため改訂)、引き続き同年7月に『図解&徹底分析 IFRS「新リース基準」』を出版しました。
2017年7月からは、実務上のポイントにフォーカスした情報を新シリーズで提供開始しており、本冊子は、第1弾「新基準への移行」に続く第2弾として「リースの定義」についての解説を行うものです。
次回は割引率に関する説明を提供する予定です。
PDFの内容
- 概要:「リース」とは何か
- 特定された資産
- 資産の使用による経済的便益
- 使用を指図する権利
- 共同支配の取決め
- 範囲と借手の免除規定
- 経過措置
- 実務上必要な検討
Appendix1 IFRS第16号「リース」の概要
Appendix2 IFRS第16号とIFRIC第4号の比較
Appendix3 IFRS第16号と米国基準新リース会計の比較
執筆者
有限責任 あずさ監査法人
IFRSアドバイザリー室
長谷川 弘資
植木 恵
行安 里衣