企業と投資家の建設的な対話促進のための開示制度及び株主総会プロセスの見直し(前編) ~金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告の概要~

日本の資本市場が企業による中長期的な企業価値創造を支え、長期的な金融資産を形成できるものとするためには、いわゆるインベストメントチェーンの高度化ないし全体最適化が大きな課題となっています。

日本の資本市場が企業による中長期的な企業価値創造を支え、長期的な金融資産を形成できるものとするためには、インベストメントチェーンの高度化ないし全体最適化が大きな課題となっています。

こうした流れの中で、企業と投資家が質の高い対話を通じて相互理解を深め、中長期的な企業価値創造を行うための環境づくりのため、企業情報開示と株主総会プロセスのあり方の見直しに関する議論が進められ、検討結果のとりまとめが行われつつあります。
本稿では、「日本再興戦略」改訂2015において、持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進の具体的な施策「統合的開示に向けた検討等」(DWG)と、「株主総会プロセスの見直し等」(経済産業省の株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会(電子化研究会))のうち、2016年4月18日に公表された金融審議会DWG報告に基づき建設的な対話の促進に向けた開示のあり方、非財務情報の開示の充実等について解説します。なお、電子化研究会の動向については次号で解説します。

内容

  1. はじめに
  2. 企業情報開示のあり方の見直しによる建設的な対話の促進
  3. 建設的な対話の促進に向けた開示のあり方
  4. 非財務情報の開示の充実
  5. その他
  6. おわりに

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
監査プラクティス部
パートナー 和久 友子

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