私は、この4週間のうちの大部分を世界中のエコノミスト、中央銀行総裁及び財務大臣との協議に費やしてきました。我々は、最近の金融マーケットのボラティリティによって生じる波及的な影響の可能性について評価してきました。

そして、米国大統領がカナダとの共同で月面着陸を目指すミッションを発表した翌日、米国とカナダのサミットをもって私のツアーは終了しました。それは、地政学的な緊張からインフレに至るまでの我々が耐えてきた大気圏への再突入時の摩擦とソフトランディングを実現するための挑戦を思わせるようなものとなりました。

今号の『エコノミック コンパス』では、これらの協議から得た情報を共有しています。我々は、3つのランディング シナリオを想定しています。

  1. パラシュートが開いたまま、冷水上へ優雅に着水するような、完全なディスインフレーション
  2. 海上がより荒れていて救助がより困難となる、「ゆるやかなリセッション」
  3. より低温の北極海の寒さに着水するような、より深く長期にわたるリセッション

米国連邦準備制度理事会(FRB)は、金利引上げとインフレ抑制の取組みを着実に進めています。これは、最近の金融市場の混乱と経済の「ダウンサイド リスク」に対応する追加的な量的引締めにかかわらず進められています。

FRBは、金融市場の安定化を図る取組みからインフレ抑制の取組みを切り離すことを試みました。この2つの取組みを切り離すのは困難です。急速な利上げは不安定化の要素ですが、FRBは過去に、流動性を回復し、金融市場の安定化のために利下げを繰り返してきました。

そのようにして、本レポートの最終セクションで説明する本格的な金融市場危機のテール リスクがもたらされています。債務上限の引上げをめぐる政治的な瀬戸際戦略によって、米国債市場のボラティリティが悪化する可能性があります。米国債市場の流動性は、市場という機械に差すオイルのようなものです。オイルがなければ、エンジン全体が停止します。

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