今年のCEO調査において、私たちKPMGはコロナ後に向けてCEOが自社のポジショニングをどのように定めているのかを調査しました。米国のCEO400名を含め、大手グローバル企業のCEO1,300名以上を対象に調査をおこない、世界の経済成長に対する信頼感が高まるなかで、米国のCEOが自国経済や自社の成長見通しを確信していることが明らかになりました。また、デジタル化を加速させる計画や環境・社会・ガバナンス(ESG)の取り組みに沿ったM&Aなどの成長戦略を推進する一方で、今なお不確実性が存在するなかで企業経営をおこなうという、微妙なバランスを取っていることがわかりました。このようなリスクと機会が併存する状況は、CEOにとって独自の経営を進めて主要ステークホルダー(特に自社の従業員)との信頼を構築するチャンスになります。

CEOは成長に伴うリスクを念頭におき、重大な脅威要因から組織を守る対策に注力しています。サイバーセキュリティやサプライチェーンのレジリエンスを強化することを優先しつつ、高まるリスクを最小限に抑えようと業界全体でのソリューションや連携を模索しています。また、税務対応もCEO にとって最重要課題です。米国では税制改正がさらに進められているほか、近い将来、世界共通の最低税率を導入することが提案されています。

調査で明らかなように、米国のCEOは単に自社の事業成長だけではなく、よりよい社会の構築を目指しています。この目的を達成するため、CEOの大半が自社のパーパスやバリューに積極的に関わってESG施策に関する活動を活発化させており、ステークホルダーからの高まる期待とともに競争優位に立つための新たな機会の存在を認識しています。ステークホルダーは企業がESGの取り組みの一環でどの段階にいるのかを知りたいと考えていることから、今後はこのような取り組みに関するアカウンタビリティがCEOにとってさらに重視すべき要素となるでしょう。

未来の働き方も、米国のCEOの大きな関心事です。CEOは、過去1年半従業員の多大な努力によって生産性が支えられ続けてきたと認識しており、また従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)にまず取り組まなければ加速度的なペースで進むデジタルトランスフォーメーションは持続可能ではないことを認めています。業務上の最優先事項は、従業員に対する価値の提供(バリュープロポジション)であり、従業員のメンタルヘルスとウェルビーイングを重視し、インクルーシブとダイバーシティを考慮した職場環境を作り出すことにさらに進めています。

本稿では、これら主な調査結果をより詳細にまとめ、米国のCEOがコロナ後の成長のために自社のポジショニングを定める際の独自の手法を紹介しています。

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KPMGジャパンより発行された、2021 Global CEO Outlook Surveyフルレポート翻訳及び各領域の専門家による提言も併せてご覧ください。

 

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この文書はKPMGLLPが発行したKPMG 2021 U.S. CEO Outlookをベースに作成したものです。翻訳と英語原文間に齟齬がある場合は、当該英語原文が優先するものとします。