第3回KPMG自動運転車対応指数を発表
KPMGインターナショナルは、今回で3回目となる2020年自動運転車対応指数(Autonomous Vehicles Readiness Index、以下AVRI)の調査結果を発表しました。
KPMGインターナショナルは、今回で3回目となる2020年自動運転車対応指数の調査結果を発表しました。
調査の結果、シンガポールが初めて首位を獲得し、オランダ、ノルウェー、アメリカ、フィンランドがそれに続いています。全体として2020年のAVRIは大多数の国が自動運転車(以下、AV)の準備を加速していることを示しており、2019年のAVRIでプロファイリングされた25ヵ国のうち17ヵ国が2020年にスコアを向上させています。特にAVパイロットとテスト領域が拡大しており、30の国と地域のうち約3分の2がAVテスト用の地区を指定しています。
自動運転車に最も適した国
AVRIによると、自動運転車の将来のために最も準備ができている国のランキングは次のとおりです。
国名 |
2020年順位 | 2019年順位 |
シンガポール | #1 | #2 |
オランダ | #2 | #1 |
ノルウェー | #3 | #3 |
米国 | #4 | #4 |
フィンランド | #5 | #6 |
スウェーデン | #6 | #5 |
韓国 | #7 | #13 |
アラブ首長国連邦 | #8 | #9 |
英国 | #9 | #7 |
デンマーク | #10 | - |
日本 | #11 | #10 |
トップランクの国のハイライト
シンガポールは、過去2回連続で1位になったオランダを抜き、今回初めて1位になりました。これは2019年初旬からAV化を促進するために実施してきた多くの施策を反映した結果となっています。シンガポールは現在、国としてのAVの基準を公表しており、シンガポールのすべての公道の10分の1をAVテストに開放しています。
シンガポールとオランダは、どちらもAVの主要な先駆けである電気自動車(以下、EV)の推進におけるリーダーでもあります。シンガポールはEV充電スタンドの数を2030年までに1,600から28,000に大幅に増やす計画を立てており、またオランダでは1人あたりのEV充電スタンド数が、調査対象国中で最も多くなっています。また、ノルウェーもEVの採用における世界的リーダーであり、広範なAVテストに加えてオスロに3つのAVバス路線を確立しています。
米国はAV開発をリードする420の企業(Google系列のWaymoに代表されるテクノロジー企業や、ゼネラルモーターズやフォードといった車両メーカー等のうち44%がこのレポートでも調査対象とされている)の本部がある点でも際立っています。
韓国は他のどの国よりも前年比で指数の上昇が大きく認められ、2019年の13位から2020年は7位に上昇しました。これはAV化によって国の交通事故死者数を4分の3まで削減することを目的として、2019年10月に発表された国家戦略によるものです。
日本に関する調査結果
日本は、ランキングは1つ落としたものの、昨年に引き続き技術とイノベーションに注力しており、特にAV関連の特許取得件数は最も多く、インフラ分野でも引き続き高いスコアを示しています。2019年は道路交通法改正による自動運転レベル3の解禁をはじめ、道路運送車両法の改正や警視庁の道路使用許可基準の改訂と、自動運転実現に向けた着実な進捗がありました。
2020年度中には国内メーカーから自動運転レベル3対応車の販売も予定されています。5G普及の遅れやトンネルの多さなど解決すべき課題が存在するものの、2025年頃を目途に自動運転レベル4が解禁される可能性もあります。
主要都市の詳細
2020年のAVRIでは初めて地方自治体レベルでのAV化に対するイニシアチブも取り上げており、北京、デトロイト、ヘルシンキ、ピッツバーグ、ソウルの5つの注目すべき都市の動向をレビューしています。
KPMGインターナショナルのRichard Threlfallは次のように述べています。「AVを前進させる上で最も注目すべき開発の多くは都市、地方自治体、または州が率いる地方レベルで行われています。タクシーやバスなどの公共道路における輸送は、通常中央政府ではなく地方自治体の責任であるため、地方レベルでのサポートは国家政策よりもさらに重要であると考えられています」
自動運転車対応指数(AVRI)調査について
本調査は、28の指標を用いて30の国と地域を評価し、AVの展開とイノベーションを進めるうえでの準備状況を評価しています。指標は政策と法律、テクノロジーとイノベーション、インフラストラクチャー、消費者の支持という4つを柱として編成されています。本調査は2020年1月~5月にかけて行いましたが、多数の指標を用いているため、一部の内容は、当該期間の以前もしくは以降の内容を含んでいます。
2020年自動運転車対応指数に関する情報については、Autonomous Vehicles Readiness Index (AVRI) のサイト(英語版)をご覧ください。
本プレスリリースにおいて、「当社」および「KPMG」とは、KPMGの名称で運営され、KPMGインターナショナルと提携する独立したメンバーファームで構成されるネットワーク、これらのうち1つまたは複数の企業、またはKPMGインターナショナルをいいます。KPMGインターナショナルは顧客向けサービスの提供を行っていません。いずれのメンバーファームも、KPMGインターナショナルまたは他のメンバーファームに対して第三者への義務を負わせる権限を有しておらず、KPMGインターナショナルもまた、いずれのメンバーファームに対してもこのような義務を負わせる権限を有していません。
本資料は、2020年7月7日にKPMGインターナショナルが発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。本資料のその内容および解釈は英語の原文を優先します。
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