カーボンニュートラルの実現を目指すべく、温室効果ガス(以下、GHG)を削減するためには、どの工程でどのくらい排出されているかを把握することが重要であり、原材料調達、製造、輸送、使用、廃棄・リサイクルというライフサイクル全体を考慮することが必要です。製品のライフサイクル全体で排出されるGHGの総量を示すカーボンフットプリント(以下、CFP)を算定する企業が増えましたが、CFPに取り組む目的が不明確であったり、算定はしているものの効率的に削減につなげられていなかったりといった課題があります。
本稿では、CFPに取り組む目的を整理したうえで、現状のCFPの可視化やGHG削減の必要性、実行のためのIT導入のポイントについて解説します。
1.CFP可視化・削減の必要性
CFPにかかわる取組み | よくある課題例 |
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1.算定方針の検討 |
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2.算定範囲の設定 |
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3.CFPの算定 |
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4.検証・報告・活用 |
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5.削減 |
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3.CFPを効率的に削減するポイント
(2)企画・設計段階でのCFP算定
商品企画・設計開発、生産準備、調達、製造という製造業のバリューチェーンのなかで、製品の機能、性能、コストを満たすために、どのような仕様の部品や素材を選定して設計するかを決める商品企画・設計開発段階において、CFPの大部分の要素が決定されます。このため、商品企画・設計開発の段階でCFP削減の取組みをすることが大きな削減効果につながると考えられます。
4.まとめ~効率的なCFP削減のために
【目的整理およびロードマップ策定の要点】
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次に、CFPの可視化、削減施策の発案・実装、CFPの可視化・削減にかかわるIT導入の構想策定、要件定義、インプリメンテーション、運用を行います。
【現状のCPF可視化と施策発案・実行の要点】
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【CFP可視化・削減に係るIT導入の要点】
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システム要件定義やインプリメンテーション・運用はITベンダーにて実行するため、ITベンダーの選定も必要になります。
執筆者
KPMGコンサルティング
シニアマネジャー 掘井 祐貴
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