英国の2024年春期予算案の発表

2024年3月6日に発表された英国2024年春期予算案は、従業員やファミリーを主な対象とした発表でした。ノン・ドミサイルに関する発表は、予想以上に踏み込んだもので、居住用不動産のキャピタルゲイン税の税率引き下げはサプライズでした。法人に関する税制の発表は少なかったですが、注目すべき発表がされました。

英国の2024年春期予算案は、法人に関する税制の発表は少ない中、いくつか注目すべき発表がされました。

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法人

  • Capital Allowance制度 – 全額費用化制度(Full expensing)の対象を拡大し、リース資産を含める。
  • エネルギー分野 – エネルギー利潤税(Energy Profits Levy)の適用期間を1年延長し2029年3月31日までとする。
  • VAT登録基準額 – VAT登録の閾値を£85,000から£90,000に変更(2024年4月1日より適用)。
  • クリエイティブ分野 – クリエイティブ産業が享受している減免措置に関するいくつかの法人有利な変更を発表。
  • 共通報告基準(Common Reporting Standard “CRS2”) – OECDの改正の導入および暗号資産に関連する報告に関するコンサルテーションの実施。

雇用・個人

  • 国民保険料(NIC) – 国民保険料をさらに2%引き下げ。Autumn Statement 2023での2%の引き下げと合わせると、4%の引き下げになる。
  • ノン・ドミサイル・ステータス(Non-domiciled status) – 既存の送金ベース課税のNon-domの制度を撤廃し、新しい制度に変更(2025年4月6日より適用)。
  • 居住用不動産のキャピタルゲイン税(GCT)– 居住用不動産の売却に対するキャピタル源税の高税率を28%から24%に引き下げ(2024年4月6日より適用)。
  • 英国ISA – 年間£5,000の投資枠の新しい英国ISAの導入。
  • 児童手当(Child Benefit) – 高所得者向け児童手当(High Income Child Benefit Charge “HICBC”)の閾値を£50,000から£60,000に変更。また、£80,000未満であれば児童手当が全額取り消されないよう変更。(2024年4月より)また、個人単位でなく世帯単位で所得基準を判断する計画について協議する。

春期予算案に関するより詳細な解説は、KPMGのSpring Budget 2024(英語)にてご覧いただけます。

3月8日に開催されたSpring Budget 2024ウェビナー (英語)では、KPMGの専門家が2024年春期予算案の発表内容の詳細とそれらが企業や個人に与える影響について掘り下げて解説しています。

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