エネルギー・化学セクターのCEOは、足元での地政学的緊張の高まり、マクロ情勢の不確実性、人工知能の急速な進化にもかかわらず、顧客体験の向上とESGイニシアチブの推進・加速を通じて、自社と業界全体の成長に対する自信をますます強めています。

経済的見通し

  • 「自社事業の成長見通しに自信がある」と、回答した世界のエネルギー・化学セクターCEOは、全体平均(77%、直近3年間で最低値)を大幅に上回る87%まで上昇しました。業界全体の成長に対する信頼感も83%と高く、当該セクターのCEOが、今後の事業成長に対して、ますます自信を強めていることがわかります。
  • 近年、脱炭素への取組みの加速やエネルギー・原料コストの高騰に対する世論や規制の圧力の高まりを背景に、エネルギー・化学企業は、顧客の反応・評判に敏感になっており、旧来重視してこなかった顧客エクスぺリエンスの向上(前回調査0%)を事業成長における優先事項として位置づける企業が増えています。
左:Q自社事業の成長見通しに自信があるに関する回答右:自社事業の成長を実現するための優先事項に関する回答

破壊的テクノロジー

  • 世界のエネルギー・化学セクターのCEO は、生成 AI の自社事業における利用可能性を認識のもと、当該領域を最優先投資対象として位置付けると同時に、組織・従業員がテクノロジーを最大限に活用できるよう、体制・運営方法を見直しています。
  • 一方、大半のCEOが、生成AIの普及が、攻撃者に新たなサイバー攻撃の余地を与えるリスクを懸念しているにもかかわらず、これらのサイバー攻撃への備えができていると回答したCEOは46%に留まりました。
生成AI に対するエネルギー・化学セクターCEOの見解

人材

  • 世界のエネルギー・化学セクターのCEOは、コロナ禍で普及し、生産性の向上に寄与したハイブリッドな働き方に懐疑的な見方をしており、今でも旧来的な出社型の働き方を固持・奨励している傾向があることがわかりました。
  • また、エネルギー・化学セクターのCEOの多くが、インクルージョンやダイバーシティの重要性を認識しているにもかかわらず、導入・普及のペースが大幅に遅れていることを懸念しています。
人材・働き方に対するエネルギー・化学セクターCEOの見解に関する円グラフ

ESG

  • 世界全体の排出量の約4分の3がエネルギー利用に起因する中、エネルギー・化学セクターのCEOは、ESGを、自社事業のレジリエンスの確保、顧客関係の構築・維持、長期的な成長を実現するための企業戦略において、不可欠な重要要素であることを、ますます認識しています。
ESGに対するエネルギー・化学セクターCEOの見解に関する円グラフ

英語コンテンツ(原文)

2023 Global Energy CEO Outlook

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