UAE法人税法発表

2022年12月9日、UAE財務省は企業およびビジネスに対する法人税法2022年No.47を公表し、関連するFAQのセクションを更新しました。

UAE財務省は企業およびビジネスに対する法人税法2022年No.47を公表し、関連するFAQのセクションを更新しました。

概要

2022年12月9日、UAE財務省は企業およびビジネスに対する法人税法2022年No.47を公表し、関連するFAQのセクションを更新しました。

原文は以下リンクから参照できます。

Federal-Decree-Law-No.-47-of-2022-EN.pdf (mof.gov.ae)

Corporate Tax FAQ – Ministry of Finance – United Arab Emirates (mof.gov.ae)

この法人税法は、2022年初めにUAE財務省から公表されたFAQや、Public Consultation Documentで記載された骨子をなぞっており、ようやく法人税導入に向けて法制化されたことになります。

ビジネスに関連する主な所見は以下となります。

  • 法人税法では、2023年6月1日以降開始する最初の事業年度からUAE法人税法が適用されることが明確にされています。このため、12月決算の会社にとっては、最初の法人税対象事業年度は2024年1月1日開始事業年度となります。
  • 法人税法では課税対象者の定義が設けられ、UAEでの課税事業者のUAE支店は1つの課税対象者として取り扱われます(例:1つの税務登録および1つの税務申告書)。
  • 一定のビジネスは法人税が免除されます。ビジネス活動の性質で免除されることもあれば、企業の種類で免除されることもあります。同様に、一定の種類の所得も法人税が免除されます。
  • 天然資源の採掘業(および一定の非採掘業)は、引き続き首長国レベルの別個の法人税が課せられるので、今回発表の法人税は対象外となります。しかし、これらの企業であっても、非採掘業から発生する所得は今回の法人税の対象となるため、留意が必要です。外国銀行のUAE支店は法人税の対象となり、今回の法人税導入後は、既存の首長国レベルの法人税の対象外となります。
  • 法人税率は以下の2つです。
    • 一定の基準値以下の所得には0%(FAQで記載があった37万5千ディルハムとなる予定で、今後閣議決定で決められます)
    • 上記の基準値を超えると9%
    • フリーゾーン内企業の適格所得については0%
  • OECDで合意されたBEPS2.0第二の柱の最低法人税率15%が適用される国際企業グループに帰属するUAE企業について、今回の法人税法では特別な税率が示されていません。このため、これらの企業は、UAE法人税法がOECDの最低法人税率フレームワークからどのような影響を受けてさらなるガイダンスが出されるのか待つ必要があります。それまでは9%となります。
  • FAQによると、第二の柱が導入されるまでは、国際企業グループには法人税率9%が適用されます。
  • 法人税法では、世界的な税務実務に沿った恒久的施設(PE)(固定的施設PEおよび従属的代理人PE)の概念が定義されています。国際的な方針と同様に、法人税法では投資運用会社免除が導入され、不用意に国外ファンド用PEとして課税されないよう手当されています。
  • フリーゾーン免除に関連して、法人税法ではフリーゾーン企業が適格となって0%税率を適用できるための条件を特定しています。非適格となる所得に対しては9%の税率が適用されることには注意が必要です。しかし、適格所得の定義は法人税法で明示されておらず、今後閣議決定によって明らかになります。
  • 法人税法では税務調整や控除などの詳細について明示されておらず、今後閣議決定において明確にされます。
  • 法人税法では小規模企業向け軽減措置が設けられていますが、その条件については今後の閣議決定で定められます。
  • 配当およびキャピタルゲインに関する免除は、保有期間や追加の租税回避条項によります。
  • 源泉税に関しましては法人税法に定める一定の所得に関しては0%が適用されます(または閣議決定により別の税率が定められます)。
  • 税金グループを適用するための条件は、Public Consultation Documentで記載された条件と同じです。
  • 移転価格税制については今後閣議決定によってさらなる詳細が発表されるとの暗示込みで公表されています。移転価格関連の開示フォームは法人税申告書とともに提出が要求されると思われ、課税事業者の関連当事者との取引や契約に関する情報が含まれます。移転価格のローカルファイルやマスターファイルを保存する条件は、今後の閣議決定で明らかになります。税金グループ内のメンバー企業間の取引については、一般的に移転価格税制ルールに準拠する必要はありません。
  • 税務登録手続きやスケジュールについては明示されておらず、今後のガイダンスを待つ必要があります。
  • 移転価格税制に関する事前確認制度を含む法律の適用に関しては、税務当局からのさらなる通達による説明が待たれます。
  • 法人税法には乱用防止規定が設けられ、これについては計画されている事業再構築について慎重に分析して考慮しなければなりません。
  • 税務コンプライアンスの詳細や簡素化された税務申告書のフォーマットは、今後税務当局によって公表されます。

今後のステップ

法人税法の公表を受けて、各企業は新法人税法が既存のビジネスや法的なストラクチャーにどのような影響を与えるのか、評価を開始できることになりました(まだ開始していない場合)。また、まだ明確になっておらず、今後の閣議決定などによって別途定められることとなる部分についても考慮する必要があります。

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Tax Flash - KPMG United Arab Emirates (home.kpmg)

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