ブラジル:食事手当、労働者食料制度(PAT)に関する一般規則および税務上の規制、テレワークまたはリモートワーク、その他の項目に関する新法令が施行

食事手当(いわゆるVale-refeiçãoおよびVale-alimentação)、労働者食料制度(PAT)に関する一般規則および税務上の規制、テレワークまたはリモートワーク、その他の項目法令14.442/2022(当初は暫定令1.108/2022として発効)が、2022年9月5日公布されました。

食事手当、労働者食料制度に関する一般規則および税務上の規制、テレワークまたはリモートワーク、その他の項目法令が公布されました。

このたび、食事手当(いわゆるVale-refeiçãoおよびVale-alimentação)、労働者食料制度(PAT)に関する一般規則および税務上の規制、テレワークまたはリモートワーク、その他の項目法令14.442/2022(当初は暫定令1.108/2022として発効)が、官報において2022年9月5日に公布されました。

KPMGブラジルは、当該法令の内容について記載したニューズレターSancionada Lei que trata sobre auxílio-alimentação - KPMG Brasil (home.kpmg)(ポルトガル語)を発行しました。

以下、ニューズレターの日本語訳です。

2022年9月5日、食事手当(いわゆるVale-refeiçãoおよびVale-alimentação)、労働者食料制度(PAT)に関する一般規則および税務上の規制、テレワークまたはリモートワーク、その他の項目法令14.442/2022(当初は暫定令1.108/2022として発効)が官報において公布されました。なお、一部条項は大統領による拒否権が行使されたことから、今後国会において審議される予定です。

1.食事手当

食事手当に関する主要な変更点は以下の通りです。

i.企業が契約した金額および手当の支払いとは直接関係しない給付金やベネフィットに対する割引の要求または提供の禁止

ii.手当の目的から逸脱した行為、不適切なオペレーションに対して最大5万レアルの罰金

60日間使用されなかった手当残高を現金として引き出すことを認める条項は、PAT制度の規則および公共の利益に反するとして、大統領による拒否権が行使されました。同様に、組合負担金の残高を労働組合に支払う義務は、連邦政府の支出増大を招く可能性があり、かつ税法に反することから、拒否権が行使されています。

2.PAT

当該法令によるPAT制度の主な変更は以下の通りです。

i.PATの枠組みで対象とされる支出は、レストランまたは類似する施設での食事費用および商業施設での食料品の購入費用のみに限定される

ii.手当の使用は、当該法令が定める形式および規則に準拠したものであることを強調

iii.PATの登録抹消に該当する違反が発見された場合、初回の違反が行われた日に遡及した登録抹消の実行

3.テレワークまたはリモートワーク

テレワークまたはリモートワークに関して、当該法令では「会社の施設外またはハイブリッド形式で提供されたサービスで、その性質上、社外勤務として扱うことができないもの」と定義されています。法令上の主な変更は以下の通りです。

i.労働契約において勤務形態を記載することを規定

ii.役務またはタスクベースで契約した従業員の勤怠管理の実施を義務化

iii.個別合意または労使協定で定めがない限り、テレワークで使用される機器、インフラ設備、ソフトウェア、デジタルツールまたはアプリを従業員が通常の勤務時間外で使用することは、待機時間、スタンバイ、オンコール時間として認められないことを明確化

さらに、当該法令において初めてグローバルモビリティに関する規制が制定されました。これにより、ブラジルで雇用契約を結んだ従業員が国外からテレワークを遂行することを選択した場合、法令7.064/1982(通称“Lei do Expatriado”または“Lei Mendes Junior”)および当事者間での合意に抵触しない限り、ブラジル法が適用されることが制定されています。当該措置は、場所を問わない働き方やデジタルノマドなど、企業が取り入れつつある新しい働き方がもたらす複雑な状況に対して、一定の指針を示すものと見られています。

ただし、こうした国際的なリモートワーク形態の導入にあたっては、税務上の影響や恒久的施設(PE)との関係など、さまざまな側面から検討を要する必要があるといえるでしょう。

なお、当該法令による税務上の控除限度額に関する変更はなく、これまでの政令で既に設定されている限度額の再確認に留まっています。

KPMGブラジルでは人事管理や雇用関係(固有税金含む)に関するプロジェクトを遂行する専門チームを有しています。上記に関するご質問がありましたら、お気軽にお問合せください。

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