利益A

利益Aは、物理的拠点の有無にかかわらず、一定の利益を市場国に対して再配分する仕組み。具体的には、税引前利益率が10%を超過する利益の部分(超過利益)の25%を利益Aと認定し、各国の売上高比率等の配分キーを用いて、ネクサスを有する市場国に配分される。

物理的拠点の有無にかかわらず、一定の利益を市場国に対して再配分するスキームである。

利益Aは、多国籍企業が国境を超えて市場国において経済活動を行っているにもかかわらず、その市場国に物理的プレゼンスを有していないために市場国の課税権がおよばないという問題に対応して設定された新たな課税権である。
利益Aは、大規模な消費者(ユーザーを含む)向け事業(Consumer facing business)に適用され、物理プレゼンスに依存するのではなく、主に売上に基づく新しいネクサスの概念が認識されることになる。OECDによれば、利益Aの概念は、独立企業原則の適用を超えている、とされる。

利益A「物理的拠点の有無を問わない、新たな市場国課税権」

  • 対象企業:以下の(1)・(2)の条件を満たす多国籍企業
    (1)グローバル売上高テスト:当該年度のグループの総売上高が200億ユーロ超であること
    (2)収益性テスト:税引前利益率が10%を超えること

    なお、導入から7年後を目処に、グローバル売上高テストの基準が見直されることが予定されており、基準総売上高100億ユーロへと引き下げられる可能性がある。

  • 対象事業:採掘業および規制された金融業以外のすべての事業

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