メキシコ:CFDIバージョン4.0導入に向けた納税者情報オンライン検証ツールについて

メキシコ税務当局(SAT)のホームページにおいて新たに導入されたCFDIバージョン4.0導入に向けて有用な納税者情報オンライン検証ツールについて解説します。このツールを使った納税者側での事前検証作業は、2022年7月1日から強制適用の予定であるCFDIバージョン4.0の導入に際して、非常に重要です。

本ニューズレターでは、CFDIバージョン4.0導入に向けて有用となる納税者情報オンライン検証ツールについて解説します。

本ニューズレターでは、メキシコ税務当局(SAT)のホームページにおいて新たに導入された、CFDIバージョン4.0導入に向けて有用となる納税者情報オンライン検証ツールについて解説します。このツールを使った納税者側での事前検証作業は、2022年7月1日から強制適用の予定であるCFDIバージョン4.0の導入に際して、非常に重要となります。

実際のSATのポータルは、以下のリンク先をご参照ください。

Validates online RFC´s one by one or in a massive way up to 5 thousand records - RFC procedures - Portal of procedures and services - SAT

KPMGメキシコによるスペイン語版ニューズレター(2種類)は、以下のリンク先をご参照ください。

Flash: SAT | Validador para datos del CFDI 4.0 - KPMG México (home.kpmg)

Flash: Tercera resolución de modificaciones a la resolu - KPMG México (home.kpmg)

今回SATで導入された検証ツールにより、納税者は確認したい相手先納税者のRFC番号およびRFCで登録されている氏名(会社の場合は会社名)、郵便番号の情報が有効かどうかについて、最大まとめて5,000件まで同時に確認することが可能になります。この確認はSATポータルにおいて行い、即時に確認できます。

目次

  1. 導入の背景(CFDIバージョン4.0の適用との関連)
  2. 納税者情報オンライン検証ツールについて
  3. まとめ

1.導入の背景(CFDIバージョン4.0の適用との関連)

2022年度税制改正により、納税者が自ら発行するCFDIでは、受取側のRFC番号、SATに登録されている氏名(会社の場合は会社名)、郵便番号の正しい記載が要求されます。企業の実務上の観点からは、CFDIの要件が企業の損金性に強く結びついているため、CFDIに記載されるRFC番号や名称、住所などは正確に記載する慣習が過去から強く根付いており、当該要件の改正内容自体は特段目新しいものには映りません。

ただし、今回この改正が非常に重要なのは、今年7月1日から使用を強制されるCFDIバージョン4.0の導入に密接な関連を持つからです。

すなわち、CFDIバージョン4.0においては、同システムで企業が発行するCFDIに記載される、上記RFC番号、氏名、郵便番号の情報がSATにおいて登録されている情報と異なっている場合、その相手にCFDIを発行することがシステム上できなくなります(CFDI発行手続きがシステム上完了できない仕様となる)。

今回のSATによる検証ツールは、CFDIバージョン4.0を適用する7月1日までの期間に、各納税者側のデータベースに保管されている相手先のデータが正確なものかどうかについて、事前に各々で検証し、データ修正を促すことで、CFDIの発行時に混乱が生じないようにする目的で導入されました。

その検証作業において特に重要なのが、従業員の情報です。すでに上述の通り5,000件までの同時確認ができるようにしているのは、企業の顧客情報のみならず、自社の従業員情報をまとめて検証する必要性があるためです。

ご存じの通り、企業は従業員に対する給料支払いにおいて、給料源泉が発生することからSalary CFDIを発行する義務を有します。ツールによる検証の結果、データ不一致によりCFDIが発行できない場合、該当する給料支払いについての企業側における損金算入は、全てできなくなります(CFDIが発行できないことを理由に給料の支払をストップすることはできないと考えられるため)。またバージョン4.0導入前の現バージョンから発行したSalary CFDIにおいても、CFDI自体の発行は完了できますが、SATにそのデータ不一致を指摘された場合、同様に損金否認されるリスクも内在しています。

そのため、すでに多くの企業がスムーズなバージョン4.0の導入を目指し、顧客だけではなく自社の従業員に対しても、彼らがSATに行ったRFC登録情報を確認するための資料、Constancia de Situacion Fiscal(税務情報証明書)の提出を依頼、それを入手して自社の登録データベースとの整合性のチェックを行っています。特に、たくさんの従業員をかかえ、その入れ替わりも活発な製造業にとっては、スムーズな移行、継続した管理体制の構築が非常に大切です。

2.納税者情報オンライン検証ツールについて

具体的な検証ステップは以下のとおりであり、非常に簡単です。

  • 確認したい納税者のRFC番号を入力(最大5,000ライン(すなわち5,000件)まで同時に確認が可能)
  • 検証ボタンを押すと、検証結果が即時に返ってくる
  • RFC番号のみに限らず、納税者のRFC登録氏名(個人、法人)、郵便番号の確認も可能

このツールにより、納税者はSATポータルにおいて随時上記情報の検証が可能になります。また、当該ツールでは個人、法人を問わず、RFCを保有するすべての納税者に対しての上記情報確認が行えます。

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