メキシコ:専門サービス提供者が行うIMSS報告ガイドライン

本ニューズレターでは、専門サービス提供者がIMSS(社会保険庁)に対して義務付けられている報告ガイドラインについて解説します。

本ニューズレターでは、専門サービス提供者がIMSS(社会保険庁)に対して義務付けられている報告ガイドラインについて解説します。

本ニューズレターでは、2022年4月13日に官報公布された、専門サービス提供者がIMSS(社会保険庁)に対して義務付けられている報告ガイドラインについて解説します。

KPMGメキシコによるスペイン語版ニューズレターのリンクは、以下をご参照ください。

Flash: IMSS | Lineamientos generales para la ICSOE por - KPMG México (home.kpmg) 

昨年2021年度のメキシコ制度改正において最も大きなものの1つといえる、労働法およびその他関連法(税法関連規則、社会保障関連法等)改正は、労働者の人材派遣サービスを原則禁止とするものであり、多くの企業に大きな影響を与えています。一方、当該改正において専門サービスとみなされる業務を提供する個人、会社に関しては、STPS(メキシコ労働社会保障省)が導入しているプラットフォームREPSEにおいて、自己の基礎情報や提供するサービス等の情報登録を行い、STPSからの認可を受けることで専門サービスの提供が継続して認められています。

当該認可専門サービス提供者は、自己の行うサービス遂行において、労働法、税法規定においてもさまざまな要件を満たす必要があり、その中で、社会保険法上においては、専門サービスの契約内容の概要や当該契約を遂行するために派遣する社員の情報などを定期的にIMSSに対して報告することが義務付けられています。この報告はIMSSが導入したプラットフォームICSOE(Informativa de Contratos de Servicios y Obras Specializados)にて電子的に行う必要があります。今回、このICSOE報告における法的安定性を担保するためのガイドラインがIMSSより公表され、官報公布日翌日である2022年4月14日より効力を持つこととなります(正確には効力をもつのはIMSSのテクニカルカウンシルが発行した合意書であり、このガイドラインはその合意書の構成要素の一部となります)。

ICSOE報告ガイドラインの概要

ICSOE(Informativa de Contratos de Servicios y Obras Specializados)とは、IMSSが導入したプラットフォームの名称であり、認可専門サービス提供者はこのプラットフォームを通して、自社が提供する専門サービスに関する契約内容の概要や当該業務を遂行するために派遣する社員の情報などを定期的に報告する必要があります。当該報告は年3回要求され、その対象期間と報告のスケジュールは以下のとおりです。

  1. (報告対象期間)1月から4月→(報告期日)5月17日まで
  2. (報告対象期間)5月から8月→(報告期日)9月17日まで
  3. (報告対象期間)9月から12月→(報告期日)翌年1月17日まで

今回のICSOE報告ガイドラインにおいて、報告する内容は以下の3種類のいずれかに分かれることが明記されています。

  • Normal:報告対象期間において報告すべき新規契約が締結、実行、終了している場合
  • Sin informacion:報告対象期間において報告すべき新規契約がない場合
  • Complementaria:過去の報告が行われている内容に変更が生じた場合(これは記載ミスの修正のケースも含む)

またIMSSは、当該ICSOEにおいて報告されている内容に関して、その提出者に対する質問や確認、修正を依頼する権限を有します。この場合、提出者は所定の期間内での回答を行う必要があることも定められています。

IMSSは、認可専門サービス提供者の名称やそのサービスの内容、報告を行っている契約番号やその契約に付随する概要(サービスの種類や派遣している社員の数など)を月次ベースでリストにし、サービス提供者のウェブサイトにて公表することも定めています。

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