サマリー

調査結果からは、半導体産業の対応を特徴付ける以下の重要なテーマが明らかになりました。

  • 大部分のエグゼクティブは、従業員の安全と生産性を向上させるプログラムへの投資を示唆。
  • ここ1年間にサプライチェーンを変更したと回答したエグゼクティブは3分の1にすぎなかった。
  • ほとんどのエグゼクティブがハイブリッドワークを導入し、コラボレーションツールにも投資しているが、ハイブリッドワーク環境に関する共通認識はいまだ形成されていない。

当初の悲観論をよそに好調な決算

半導体業界のエグゼクティブは、パンデミックにより世界的な景気後退に陥るのではないかと危惧していましたが、ほとんどの半導体企業は自社の決算が好調であると報告しています。米国半導体工業会は2021年の半導体売上高を、2020年比19.7%増の5,270億米ドルと予測しています。半導体需要は、リモートワークを支える技術を中心に伸びており、業界に広がる楽観論は、パンデミックが始まった時の悲観的ムードとは対照的です。半導体企業のCFOの62%が、今回のパンデミックが企業財務に与えた影響について「かなりの好影響」と回答しています。

ほとんどの企業が好決算だったことを発表

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出典:CFO Survey, GSA, May 2021

世界的な半導体不足にもかかわらずサプライチェーンの改革は進んでいない

世界的な半導体不足が生じていますが、特定の製品やアプリケーションによって半導体の回復を詳細に予測することが困難になっています。このような状況下、政府の支援にもかかわらず、自社のサプライチェーンを変更したエクゼクティブは3分の1にすぎず、在庫管理に関しても同様の姿勢であることが明らかになりました。

新しい働き方が定着化する ‐ いくつかのタイプ

半導体業界は、パンデミック発生当初からリモートワークへ移行しており、4分の3を超えるエグゼクティブがハイブリッドワークを採用していると回答しています。また、従業員同士のコミュニケーションや企業文化とのつながりを保つためのコラボレーションツールへも投資していますが、エグゼクティブが挙げたハイブリッドワーク、リモートワークの課題には、新入従業員の教育・定着化が含まれています。パンデミック後にハイブリッドワークを拡張するかどうか、どのような拡張にするかについては企業間で考え方が異なり、共通認識はいまだ形成されていません。

注目ポイント

サプライチェーンと在庫管理に変化は見られていないものの、半導体産業が変革期を過ぎたことは明らかです。エグゼクティブが取り組む注目ポイントは以下のとおりです。

サプライチェーンと在庫管理

  • 半導体産業が、世界的な半導体不足から回復する時、過剰在庫を防ぐにはどうすればよいのか。需要を正しく予測し、過剰在庫を避けるにはどうすればよいのか。
  • 将来の供給力不足に対応するために、供給力とサプライチェーンにどのような変更を採用できるか。
  • 機会を逃すことなく、コストを膨らませずに、需要増の恩恵を受け取れるようにするにはどうすればよいのか。

ハイブリッドワーク

  • 適切なハイブリッドワークモデルとはどのようなものか。コラボレーションの有効性や企業文化、業績に影響を及ぼさずに、このモデルから利益を得るためには、全従業員の何%までハイブリッドワークを認めることができるか。
  • 従業員がリモートワークまたはハイブリッド型の働き方をしている場合、適切なオフィス面積はどのくらいか。
  • 従業員がどこで勤務していても、協力体制、生産性、所属感を確保するにはどうすればよいのか。

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