メキシコ:2022年度税制改正の概要(第4回)-CFDI
本ニューズレターでは、2022年度税制改正(2021年11月12日連邦政府官報公布)のうち、CFDI(Comprobante Fiscal Digital por Internet)にかかる改正の概要について解説します。
本ニューズレターでは、2022年度税制改正のうち、CFDIにかかる改正の概要について解説します。
本ニューズレターでは、2022年度税制改正(2021年11月12日連邦政府官報公布)のうち、CFDI(Comprobante Fiscal Digital por Internet)にかかる改正の概要について解説します。今回の改正により、CFDIのキャンセルなど、納税者が発行に際して行わなければならない一部の要件が厳格化されます。また本改正に伴い、CFDIシステムのバージョンアップが税務当局(SAT)において現在行われており、2022年1月1日から使用開始予定となっています。
なお、CFDIシステムのバージョンアップに関連してKPMGが発行しているスペイン語版のニューズレター(Flash)も、必要に応じてご参照ください。
目次
- CFDIとは
- CFDIの改正点
- CFDIシステムのバージョンアップ
- 当該改正の論点
1.CFDIとは
CFDIは、全てのメキシコにおける事業者(個人・法人)に作成・発行が義務付けられているデジタルインボイスのことを指し、請求書だけでなく領収書の役割もあります。メキシコ法人は、税務当局(SAT)が導入しているシステム上で、CFDIを作成・発行します。CFDIは、事業上の収入を受取る時だけでなく、給与や利息等の源泉税を伴う支払取引においても、その発行が義務付けられています。
2.CFDIの改正点
今回の改正により、CFDIのキャンセルにおいては、その理由と根拠資料が要求されます。
また、Credit Noteの発行に関しても、同様にその理由と根拠資料が要求されます。
さらに、年またぎで行うCFDIのキャンセルは原則として不可となります。ただし、罰金(CFDI金額の5~10%)を支払うことによりキャンセルすることは可能です。一方、発行したOriginal Invoiceを修正する手段としてはCredit Note※を発行することも税法上許容されており、こちらもキャンセル同様、その理由と根拠資料が要求される変更がなされたものの、年またぎに関する制約はありません。
※すでに行った役務の提供や商品の販売に対する返品、ディスカウント、リベートが生じた場合にのみ発行することが税法上許容されているもの
3.CFDIシステムのバージョンアップ
SATより、2022年1月1日よりCFDIシステムのバージョンアップ版(バージョン4.0)が導入されることが発表されており、上記税法の改正点がシステム上も手当される予定です。
CFDIの改正点に関連するバージョンアップの主な内容は、以下のとおりです。
- CFDIのキャンセルには、当該理由を入力する必要があり、キャンセルされた証書に代わる根拠資料を添付する必要があります。
- CFDIのキャンセルは、CFDIが発行された年度のみ、有効になります。
その他、受領者に関しての詳細な情報記載、発行Invoiceが受領者側で課税対象となるか否かについての記載、その他の整合性チェックや品目・属性の変更等が行われます。
SATは、すでに上記のバージョンアップを2022年1月から発効することを発表しています。一方、2022年4月30日まで従来のバージョンも、経過措置として使用を継続することが可能とされています。税金にかかる残高の控除、認定および承認の確実な運用のため、その導入時期の延期も予想され、今後のSATの公表状況に留意する必要があります。
本ニューズレターは以下よりPDFにてダウンロードいただけます。