「IFRS第17号『保険契約』の修正」の公表

週刊経営財務8月24日号に、「IFRS第17号『保険契約』の修正」の公表に係るKPMG/あずさ監査法人の解説記事が掲載されました。

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はじめに

国際会計基準審議会(IASB)は、2020年6月25日、IFRS第17号「保険契約」を部分的に修正する「IFRS第17号『保険契約』の修正」(以下、IFRS第17号または本基準書という)を公表した。本基準書は、2019年6月に公表された公開草案「保険契約の修正」(以下、公開草案という)について利害関係者から寄せられたコメントを踏まえ、審議を重ねた結果として公表されたものである。
本稿では、本基準書における主要な追加・修正事項について解説する。なお、文中の意見に亘る部分は私見であり、特に断りのない限り、項番号および付録はIFRS第17号のものを指す。

1.IFRS第17号の発効日

2017年5月に公表されたIFRS第17号(以下、修正前のIFRS第17号)において、IFRS第17号は2021年1月1日以後に開始する事業年度から適用することが求められていたが、本基準書においては発効日が2年延期され、2023年1月1日以後に開始する事業年度から適用するように修正されている(C1項)。なお、特定の要件を満たす保険会社に認められるIFRS第9号「金融商品」適用の一時的免除についても2023年1月1日まで延長されている。
公開草案においても、追加・修正された事項に対するシステム開発負荷等に配慮し発効日の1年の延期はすでに提案されていたが、一部の利害関係者から、世界の主要なマーケットにおいてIFRS第17号を同時に適用開始することが重要であり、1年の延期では世界各国の承認プロセスにおける不確実性を解消することはできないというコメントが寄せられた。IASBにおいて発効日の更なる延期に伴う追加コスト等を勘案した結果、IFRS第17号の発効日が2年延期されることになった。

2.更新契約に係る契約獲得キャッシュ・フロー

保険契約グループの販売や引受等に関するコストのうち、保険契約ポートフォリオに直課可能なものはIFRS第17号において保険獲得キャッシュ・フロー(以下、「新契約費」という)と呼ばれ、契約の境界線内に含まれる場合には履行キャッシュ・フローの一部として保険契約資産または負債の測定に含まれる(付録A, B65項(e))。企業はある保険契約に関連して支出した新契約費について将来の更新契約の保険料を含めて回収することを見込んでいる場合があるが、修正前のIFRS第17号においては新契約費を更新契約が属することになると見込まれる契約の境界線外の保険契約グループに配分することは認められていなかった。このような場合、当初獲得した保険契約が属する保険契約グループの保険料だけでは新契約費を賄いきれず、経済的実態に反して当該グループが不利な契約になってしまう可能性があった。
本基準書では新契約費について、関連する保険契約グループと該当がある場合には当該保険契約グループの中の保険契約の更新後の保険契約が属することになると見込まれる保険契約グループに規則的かつ合理的な基準で配分するように修正されている(28A項,B35A項)。将来の更新契約が属する保険契約グループに配分された新契約費については、当該グループが認識されるまでの間は資産として認識し、当該グループの測定に含まれた時点で取り崩される(28項B)。新契約費の配分については毎報告期間末に最新の前提を用いて再評価する必要があるほか、新契約費に係る資産については減損の可能性を示す事実または状況がある場合には減損テストを実施する必要がある(28E項、B35B項)。減損テストは(1)保険契約グループレベルで対応する予想キャッシュ・インフローと比較する減損テストと(2)配分された新契約費を予想される更新契約から見込まれる予想キャッシュ・インフローと比較する追加減損テストの2ステップで実施される(B35D項)。また、新たな注記事項として新契約費に係る資産に関する期首残高から期末残高への調整表および新契約費に係る資産の取崩しの時期の見込みに関する定量的な情報の開示が求められている(105A項、109A項)。
新契約費の資産計上は一部の海外の保険会計においては繰延新契約費(DAC)として馴染みのある概念ではあるものの、新契約費の配分についてIFRS第17号においては詳細なガイダンスがないほか、減損テストを実施するか否かの判断基準など、本修正により、企業に追加的な判断が求められることに留意する必要がある。
なお、IFRS初度適用時には新契約費についても遡及適用を求められているが、実務的に不可能な場合のために、個別の移行措置が設けられている(C5B項)。

3.投資リターン・サービス/投資関連サービス

保険契約グループの当初認識時に計上された契約上のサービス・マージン(以下、CSMという)は、保険契約グループにより提供される保険契約サービスを反映するようにカバー期間に渡り各期に配分され、保険契約収益として認識される(B119項)。修正前のIFRS第17号において、カバー期間は企業が保険事故に対するカバーを提供する期間とされており、企業の投資活動についてはカバー期間に提供されるサービスに含まれていなかった。一方で、保険契約の中には保険契約者に対して企業の投資活動によるリターンの提供を伴うものも存在するため、保険事故に対するカバーのみを反映してCSMを各期に配分した保険契約収益は保険契約が提供するサービスの実態を反映していない場合があった。
本基準書では、保険契約が提供するサービスを「保険契約サービス」として新たに定義し、保険事故に対するカバーのほか、直接連動の有配当契約以外の保険契約については「投資リターン・サービス」、直接連動の有配当契約については「投資関連サービス」が含まれるように修正されている(付録A)。これにより、保険契約収益の認識において企業は保険カバーだけでなく投資リターン・サービスまたは投資関連サービスも考慮する必要がある。ここで、直接連動の有配当契約以外の保険契約における投資リターン・サービスとは、企業による自己のための投資活動の成果の一部を企業が保険契約者に提供するサービスであると考えられており、解約返戻金がある商品など投資要素の存在を始めとした一定の要件を満たす場合に限り存在するとされている(B119B項)。一方で、投資関連サービスは、企業が保険契約者の代わりに資産運用を行うアセットマネジメント・サービスと同等のサービスであると考えられており、変額商品などの直接連動の有配当契約が提供する基本的なサービスの一つである。なお、CSMの配分に関連する注記事項として、報告期間の末日現在におけるCSMが純損益に認識されると予想される時期について定量的に開示することが要求されている(109項)。本基準書では当該注記に加え、企業がCSMを各期に配分するための基準となるカバー単位を決定する際に必要な保険カバーと投資リターン・サービスまたは投資関連サービスによって提供される給付の相対的なウェイトを決定するために使用したアプローチについてIFRS第17号を適用する際に行った重要な判断の一つとして開示することが新たに求められている(117項)。
また、本基準書は保険契約資産または負債の測定における履行キャッシュ・フローの見積りにおいて投資関連コストを含めることを新たに要求しており、これには投資リターン・サービスまたは投資関連サービスに関連するコストだけでなく、投資活動により保険カバーの給付の増加が期待される場合には当該投資活動に係るコストも含まれる(B65項(ka))。ただし、投資リターン・サービスまたは投資関連サービスに該当しない投資活動については保険契約サービスの定義を満たさないため、CSMの償却期間には含まれないことに留意する必要がある。
以上の修正に伴い、企業は直接連動の有配当契約以外の保険契約における投資リターン・サービスの有無の判断、CSMの配分の見直し(複数のサービスにより提供される給付の相対的なウェイト付けの評価を含む)、履行キャッシュ・フローに含める投資関連コストの範囲の検討などの対応が新たに求められる。

4.当初認識時に計上した不利な契約損失の再保険契約による回収

当初認識時において保険契約グループの履行キャッシュ・フローの合計が正味のキャッシュ・アウトフローになる場合、または事後測定において履行キャッシュ・フローの不利な変動がCSMの帳簿価額を超過する場合、当該グループは不利な契約と呼ばれ、当該金額を不利な契約損失として純損益に計上しなければならない(47項、48項)。修正前のIFRS第17号においては、保険契約を再保険に付している場合、事後測定において元受保険契約が不利な契約になった場合に、対応する再保険契約において元受保険契約の損失に対応する履行キャッシュ・フローの変動を利得として純損益に計上することで、元受保険契約のリスクを再保険契約がカバーしているという経済的実態を反映することができる(66項(c)(i), (ii))。一方で、当初認識時においては元受保険契約が不利な契約となり損失を認識する場合であっても、再保険契約により対応する利得を認識することは認められておらず、会計上のミスマッチが生じていた。
本基準書では当該ミスマッチを解消するために、当初認識時においても元受保険契約が不利な契約になり損失を認識する場合には、再保険契約による回収見込額を「損失回収要素」として設定し、対応する利得を認識するように修正されている(66A項、66B項)。損失回収要素は元受保険契約において認識された損失に企業が元受保険契約の保険金のうち再保険契約によって回収すると見込んでいる割合を乗ずることによって測定され、財政状態計算書上はCSMとして表示される(B119D項)。損失回収要素はその後の測定において元受保険契約のロス・コンポーネント(元受保険契約の履行キャッシュ・フローのうち不利な契約損失に相当する部分)の事後変動を反映するように調整される(B119F項)。具体的には、損失回収要素はCSMの一部であるため、他のCSMと同様に償却計算の対象となる(66項(bb))。なお、損失回収要素は再保険契約による回収額の戻入として純損益に表示される金額を決定するものであり、再保険者に支払った保険料の配分からは除外される(66B項)。これは、元受保険契約において予想保険金のリリース額のうちロス・コンポーネントに相当する金額が保険契約収益から除外される処理(49項)に対応するものである。
本修正により再保険契約によるカバーの実態をより忠実に反映できるようになった。再保険契約における損失回収要素は、固有の事後測定を行うための区分管理が必要であることを含め元受保険契約におけるロス・コンポーネントに対応するものと考えれば理解しやすいが、ロス・コンポーネントは履行キャッシュ・フローの一部である一方、損失回収要素はCSMの一部であること等の相違点にも留意する必要がある。

5.リスク軽減オプションの拡充およびOCIオプション併用時における会計上のミスマッチの低減

変動手数料アプローチ(以下、VFAという)は直接連動の有配当契約の測定に用いられるアプローチであり、直接連動の有配当契約の特性を反映するように、直接連動の有配当契約以外の保険契約の測定に適用される一般的な測定モデルとはCSMの測定方法を中心に一部異なる取り扱いが求められている(45項他)。VFAにおいてCSMは基礎となる項目の公正価値に対する企業の持ち分の変動および基礎となる項目に対するリターンに基づいて変動しない履行キャッシュ・フローの変動について調整される(B112項、B113項)。これらの変動には割引率の変動を含む将来サービスに係る金融変数の仮定の変動の影響についても含まれる。企業はこれらの金融変数の変動の影響をヘッジするためにデリバティブを活用している場合があるが、デリバティブの公正価値の変動が純損益に計上される一方でヘッジ対象である保険契約に係る変動がCSMで調整されてしまうため、VFAにおける原則的な会計処理のもとでは保険契約の金融リスクをデリバティブによりヘッジしているという経済的実態を適切に反映することができない。当該会計上のミスマッチを低減するため、IFRS第17号においてはデリバティブを用いた保険契約に係る金融リスクの管理方針の文書化など一定の要件を満たす場合には、金融リスクの変動による影響の一部または全部(以下、リスク軽減額という)についてCSMを調整せず保険金融収益または費用として純損益に計上するという「リスク軽減オプション」が認められている(B115項、B116項)。ただし、修正前のIFRS第17号においてはヘッジ手段としてデリバティブしか認められていなかったため、企業がヘッジ手段として再保険契約や純損益を通じて公正価値で測定されるデリバティブ以外の金融資産を用いている場合には会計上のミスマッチが生じていた。
本基準書ではリスク軽減オプションを適用することができるヘッジ手段として、デリバティブのほか、再保険契約および純損益を通じて公正価値で測定されるデリバティブ以外の金融資産を使用している場合についてもリスク軽減オプションの適用が認められるように修正されている(B115項)。リスク軽減オプションを適用したことによりCSMを調整しなかったリスク軽減額については、ヘッジ手段としてデリバティブまたは純損益を通じて公正価値で測定されるデリバティブ以外の金融資産を使用している場合は保険金融収益または費用として純損益に計上し、ヘッジ手段として再保険契約を使用している場合には再保険契約と同様の会計方針を適用し純損益として計上する金額を決定する(B117A項)。ただし、純損益を通じて公正価値で測定されるデリバティブ以外の金融資産を用いてリスク軽減オプションを適用することができるのは、基礎となる項目に対するリターンに基づいて変動しない履行キャッシュ・フローの変動のみであり、基礎となる項目の公正価値に対する企業の持ち分の変動にはリスク軽減オプションを適用することはできない。
なお、IFRS第17号においては保険金融収益または費用の一部を純損益として認識せず包括利益として計上するという会計方針(以下、OCIオプションという)の適用が認められている(88項~90項)。OCIオプションの適用は保険契約ポートフォリオ単位で決定され、その際は各ポートフォリオについて企業が保有している資産の会計処理を考慮することが要求されている(B129項)。IFRS第17号においてOCIオプションを適用した場合の保険金融収益または費用の分解方法についてはガイダンスが存在するが、修正前のIFRS第17号においてはリスク軽減オプションとOCIオプションを同時に適用した場合のガイダンスが示されていなかったため、両者を同時に適用した場合に会計上のミスマッチが生じる恐れがあった。本基準書ではOCIオプションが適用される保険金融収益または費用の範囲からリスク軽減オプションの適用により生じた金額を除くことを明記することにより会計上のミスマッチの低減が図られている(87A項)。
本修正によって企業のヘッジ活動の実態をより忠実に反映できるようになった。ただし、IFRS第17号においてはリスク軽減額をどのように測定するかについての詳細なガイダンスは存在しない。IFRS第17号の結論の背景において仮想デリバティブ法によるリスク軽減額の測定は過度な複雑性をもたらすとして否定されているものの、リスク軽減オプションを適用する場合には、保険契約とデリバティブ等の間で含まれる要素の違いに重要性がある場合の取り扱いなど、リスク軽減額の測定方法について検討が必要となる。

6.期中報告における会計上の見積りの変更

IFRS第17号は各報告期末において保険契約グループの将来サービスに係る履行キャッシュ・フローの見積りの変動についてCSMを調整することを要求している(44項他)。修正前のIFRS第17号においては、過去の期中財務諸表で行った会計上の見積りをその後の期中財務諸表または年次報告期間において変更することを禁止されていたため、事業年度末のCSMの残高や保険契約収益の認識額が期中報告の頻度によって異なる可能性があった。IAS第34号「期中財務報告」では企業の報告頻度が年間業績の測定に影響を与えるべきではないとしているが、修正前のIFRS第17号は毎報告期末においてCSMの変動を期首から期末まで計算し直すことは、期中財務諸表を作成している企業にとって過度な負担になるとして当該例外的な取り扱いを求めていた。
しかし、連結財務諸表を各個別財務諸表と異なる頻度で作成している企業グループにとって、過去の期中報告における会計上の見積りの再評価が禁止されている場合、連結財務諸表用と個別財務諸表用に複数の会計数値を管理することが求められるため、過去の期中報告における会計上の見積りを再評価する以上の負担になる等のコメントが一部の企業から寄せられた。これらの意見を勘案した結果、本基準書では企業が期中財務諸表を作成している場合に、過去の期中財務諸表で行った会計上の見積りをその後の期中財務諸表または年次報告期間において変更するか否かについて会計方針として選択できるよう修正されている(B137項)。なお、本会計方針はすべての保険契約グループに対して適用されるものである。

7.その他の主要な追加・修正項目

本基準書におけるその他の主要な追加・修正項目の概要は以下の通りである。

  論点 主な追加・修正の内容
1 IFRS第17号の適用範囲
  • 保険契約の定義を満たすクレジットカード契約およびその他の類似契約について、個々の顧客の保険リスクを価格設定に反映していない場合には、IFRS第17号の適用範囲から除外する(7項(h))。ただし、契約条件の一部として顧客に保険カバーを提供している場合には、当該契約から保険要素を分離し、当該保険要素についてIFRS第17号を適用することが要求されている(IFRS第9号2.1項(e)(iv))。
  • 死亡保障のついた融資契約のような一定の要件を満たす契約についてIFRS第17号とIFRS第9号のいずれかの基準を選択適用可能とする(8A項)。
2 VFAの適用要件
  • 保険契約が直接連動の有配当契約の要件(B101項)を満たすか否か、すなわち、VFAの適用対象となるか否かは、保険契約グループごとではなく個々の契約ごとに評価する旨が明確化された。
3 財政状態計算書上の表示の簡便化
  • 財政状態計算書上の保険契約資産および負債の表示について、保険契約グループではなく、保険契約ポートフォリオレベルで区分して表示する(78項)。
4 移行措置:新契約費
  • 移行日以前の新契約費の回収可能性の評価は要求されない(C4項(aa))。
  • 修正遡及アプローチを使用する場合、移行日前に消滅した保険契約に関連するキャッシュ・フローを除外して新契約費を測定することを認める(C14B項)。また、測定のための利用可能な情報を有していない場合には、新契約費をゼロとすることを認める(C14D項)。
  • 公正価値アプローチを使用する場合、新契約費を契約更新により保険契約を将来取得する権利等を得るために支払うであろう金額として測定する(C24A項)。
5 移行措置:再保険契約
  • 修正遡及アプローチを使用する場合、不利な元受保険契約グループをカバーしている再保険契約について、当該再保険契約を元受保険契約グループの発行と同時またはそれ以前から保有している場合にのみ移行日における損失回収要素を設定する(C16A項)。
  • 修正遡及アプローチまたは公正価値アプローチを使用する場合、損失回収要素を元受保険契約の移行日におけるロス・コンポーネントに再保険契約によりカバーされると見込まれる割合を乗じた金額として測定する(C16A項、C20A項)。
  • 修正遡及アプローチを使用する場合、損失回収要素の測定のための利用可能な情報を有していない場合には、損失回収要素をゼロとすることを認める(C16C項)。
6 移行措置:リスク軽減オプション
  • リスク軽減オプションは移行日より前に遡及して適用してはならず、移行日以降将来に向かってのみ適用が認められる(C3項(b))。
  • ただし、移行日以前からデリバティブ等を用いて保険契約グループの金融リスクの軽減を行っており、かつ移行日以降もリスク軽減オプションを適用する場合には、遡及適用に関する実務上の対応可否にかかわらず当該保険契約グループに対して公正価値アプローチを適用することができる(C5A項)。
7 移行措置:期中財務報告
  • 会計方針として過去の期中財務諸表で行った会計上の見積りをその後の期中財務諸表または年次報告期間において変更しないことを選択した場合でも、移行日以前に期中財務諸表を作成していないかのように修正遡及アプローチを適用することができる(C14A項)。
8 移行措置:その他
  • 修正遡及アプローチまたは公正価値アプローチを使用する場合において、投資契約がIFRS第17号の裁量権付有配当投資契約の定義を満たすか否かの判断を移行日時点で入手可能な情報をもとに決定することができる(C9項(d)、C21項(d))
  • 企業結合などによって取得した保険契約についてIFRS第17号は決済期間中の契約も含めて残存カバーに係る負債として会計処理することを要求しているが、修正遡及アプローチを使用する場合には、移行日以前に企業結合などで取得した決済期間中の契約について発生保険金に係る負債として区分する(C9A項)。また、公正価値アプローチを使用する場合には、発生保険金に係る負債として区分することを選択することができる(C22A項)。

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