レジリエンスを高めるグローバルクライシスマネジメント~新型コロナウイルスの危機を乗り越えて成長する~

今回のパンデミックから得た知見を棚卸し、どのようなクライシスが発生したとしても、事業を継続し、レジリエンスを高めるためのグローバルクライシスマネジメントについて考察します。

今回のパンデミックから得た知見を棚卸し、どのようなクライシスが発生したとしても、事業を継続し、レジリエンスを高めるためのグローバルクライシスマネジメントについて考察します。

新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、WHO(World Health Organization:世界保健機関)がパンデミック宣言を出しました。原因が不明であることと特効薬が未だ開発されていないことから、新型コロナウイルスは発生からわずか数ヵ月で世界各国に拡大。現在、多くの国・地域が感染拡大を防ぐために出入国を制限していますが、このヒトとモノの流れの遮断は業界を問わずあらゆる企業に多大な影響を与えています。
本稿執筆時点(2020年3月中旬)では新型コロナウイルスが収束する気配はありません。経済にも大きな影響を及ぼしており、社会的不安は一段と高まっています。しかし、先行きが不透明な危機だからこそ、より会社を強くしていくチャンスであるとも言えます。そこで本稿では、今回のパンデミックから得た知見を棚卸し、どのようなクライシスが発生したとしても事業を継続し、レジリエンスを高めるためのグローバルクライシスマネジメントについて考察します。

Point1 自然災害対策のBCPからの脱却
日本企業が策定したBCPは、地震や台風などの自然災害用に最適化されているため、今回の新型コロナウイルスでは機能不全を起こしている。

Point2 新型コロナウイルスの世界的流行から見えてきたBCPの課題
同時多発的に発生したことで現状把握とリスク判断が困難となり、グローバルサプライチェーンに大きく影響した。
また、想定外の在宅勤務などで、ITの準備不足も顕在化した。

Point3 パンデミックBCPを策定する4つのステップ
刻々と変化する感染の状況に迅速に対応していくには、強力なリーダーシップのもとでのパンデミックBCPの策定が重要である。

Point4 レジリエントなグローバルクライシスマネジメントを構築する
未曾有の危機をチャンスと捉え、どのようなクライシスが到来したとしても対応できるよう、新たなグローバルクライシスマネジメントを構築する。

I.自然災害対策のBCPからの脱却

日本は地震や台風などの自然災害が非常に多いことから、企業の多くがBCP(Business Continuity Plan)を策定したり、訓練を実施したりと日頃から有事への意識が高いと言えます。こうした備えがあるからこそ、実際に地震や台風などで甚大な被害が生じても、日本は着実に復興してきました。ところが、今回の新型コロナウイルスの世界的流行では、自粛対応による業務影響やそれに伴う経済影響など、これまでに類を見ないレベルで社会に影響を与え、企業の危機対応を難しくしています。
大震災などの突発型クライシスの場合、電気や水道などのインフラや道路の寸断、建物の損壊などの被害が一気に現れ、経営リソースに大きな影響を与えます。物理的な被害によって、いわば強制的に業務やサプライチェーンの停止が引き起こされるのです。企業としてはある意味、受け身の状態から復旧活動を進めることになります。
一方、今回の新型コロナウイルスのようなクライシスの場合、物理的な被害はなく、発生当初の経営リソースへの影響も大きくありません。影響が出始めるのは、感染が拡大してからです。このような場合、状況を確認しながら「業務を計画停止する」 「出社を制限する」などの判断を企業の経営陣が能動的に意思決定を行う必要があります。この点が突発型クライシスの場合との大きな違いであり、難しいポイントです。
では、なぜ意思決定が難しいのでしょうか。それは日本企業が策定しているBCPの多くが自然災害を想定したものだからです。しかも、それらのBCPは繰り返される自然災害によって見直され高度化しましたが、パンデミックBCPはそうではありません。10年前の新型インフルエンザの流行を受けて、政府の指導のもとでパンデミックBCPが作られたものの、その後パンデミックが発生しなかった点や、訓練なども自然災害を想定して実施するケースが多く、策定した企業の多くが見直しをしていなかったのではないでしょうか。そのため、今回の新型コロナウイルスでは10年前に策定された新型インフルエンザのBCPを初めて適用した企業が多かったと考えられます。しかし、10年前に策定されたBCPは、この10年の環境変化に追いついておらず、機能しないケースが多分にあったと推察されます。
機能しなかった要因として、KPMGのクライアントからは以下のような声が寄せられています。

  • パンデミックBCPは中核業務しか作っておらず、業務の見直しがされていなかった。
  • 感染拡大防止に関する初動の計画に留まっており、事業継続の観点で策定していなかった。
  • 全社員のリモートワーク環境を想定しなかった。
  • 日本国内での対応に留まっており、グローバルの情報が集まらなかった。
  • 自社あるいは子会社までしか想定しておらず、サプライヤーや海外子会社まで対応できていなかった。
  • 自粛の規模が想定外だった。
  • 感染の広がりとスピードが予想以上だった。
  • サプライチェーンが分断されるほど影響を受けると思わなかった。

クライシスは、自然災害やパンデミックだけではありません。
Business Continuity Institute HORIZEN SCAN REPORT 2020によると、今後起こり得る脅威として「サイバーアタック・データ破壊」「ITおよび電子機器通信の停止」「重大なインフラ障害」「タレント・スキル不足」「新規法令・規制変更」「重要な供給停止」「政策変更」「サプライチェーンのさらなる複雑化」などが挙げられています。これらの脅威に対応していくために、日本企業にはグローバルな視点からのクライシスマネジメントが求められます。

II.新型コロナウイルスの世界的流行から見えてきたBCPの課題

それでは、新型コロナウイルスの世界的流行で日本企業がどのような状況に置かれたのでしょうか。ここでは代表的な3つの状況を取り上げて従来のパンデミックBCPの課題を明らかにし、その解を提示します。(参照 図表1

図表1 新型コロナウイルス対応のキーポイント

新型コロナウイルス対応のキーポイント

1.発生国が多数にわたり、現状把握とリスク判断が困難だった

しばしば耳にする課題の一つは、グローバルの情報がなかなか集まらないということです。また、現地子会社から日本の本社に報告するのは「誰から誰に」「何を」「いつまでに」が明確になっておらず、現地子会社でも地域統括会社を経由するのか、直接報告するのか、傘下会社の状況をどこまで把握すべきかという緊急報告ラインも機能しませんでした。たとえば、中国の支社や工場で感染者が何人いるか、タイの工場では何人なのか、イタリアの支社はどうなっているのか、各国・地域の感染状況に関する正確な情報が日本の本社にタイムリーに報告されてこないのです。
日本国内だけであるならば、情報収集はスピーディに正確に集められたでしょうし、緊急報告ラインが多少曖昧であっても臨機応変に対応できたでしょう。しかし、グローバルでは機能しませんでした。これは、BCPの緊急報告ラインが設定されていても、どこまでの情報を誰に報告するかというレベルの設定がグローバルで規定されていなかった、もしくは規定していたとしても実際に動かしたケースがなかったからだと考えます。つまり、グローバル危機管理体制が脆弱で形式的になっていたということです。
海外子会社等との指揮系統を再構築し、スピーディに正確な情報収集を実現させるためには、本社に一概に集約するのではなく、地域統括会社や地域で最も本社に近い会社を活用した情報収集や危機管理体制の構築をしていくことが一案です。特に会社の規模が大きくなり、海外子会社の数が増えてくると、本社からすべての子会社にパイプを持つことは容易ではありません。

2.グローバルサプライチェーン全体への影響が発生した

昨今のサプライチェーンでは、自社グループ以外にも、委託先やサプライヤー、物流会社など数多くのプレイヤーが参加するエコシステムが形成されています。そのため、今回の新型コロナウイルスでは、それらプレイヤーとどこまで情報を共有するか、どこまで対応を協調するか、高度な判断が求められました。
レピュテーションリスクを考慮するならば、子会社や孫会社などグループ会社の情報を収集するのは当然ですし、フランチャイズ展開しているのであれば、加盟店の情報も集めたいところです。しかし、各サプライチェーンを構成するプレイヤーとの情報共有体制ができていないケースが多く見受けられました。特に海外サプライヤーやライセンシーの情報を収集することは難しく、対応の指示を行うことに苦慮したという声が多く聞かれました。また、サプライチェーンを構成する各企業との契約でフォースマジュール条項(不可抗力条項)の宣言についても、明確に「感染症」という記載がないケースが多かったため、宣言を拒否される事例も発生し、取引への影響も計り知れないものがありました。
この課題に対する解は、サプライチェーン全体の脆弱性を災害等の物理被害だけでなく、リーガル面や税務面なども考慮し特定のうえ、代替プランの構築や契約の見直し、在庫の確保等のグローバルサプライチェーンリスクマネジメント体制を構築することです。

3.在宅勤務やチーム制など、急激なワークスタイルの変化が起きた

今回の新型コロナウイルスでは、濃厚接触者を含めた感染者の14日間の隔離なども想定し、ほとんどの企業が在宅勤務や時差出勤を導入していました。一方で、全社員が在宅勤務できるほどのITの準備(リソース面・アクセス権限など)ができている企業は少なく苦労したのではないでしょうか。
従来のBCPでは、リモートワークを想定しているケースは僅かで、出社基準においても会社から自宅までの距離を踏まえて設けている企業も多く、今回の対応では特に機能しなかったケースが多分に見られました。
インフラ面だけでなく、労務管理の観点でも「リモートワーク中の社員の労働時間管理」「評価制度」「事務職や派遣社員にもリモートワークを適用するのか」などの課題に直面し、働き方そのものを見直す機会になったと言えるでしょう。実務面でも、在宅勤務が可能であっても個人情報の取扱いや社内の重要システムへのアクセスの問題もあり、出社せざるを得ない業務も存在し、「業務そのものにおけるIT化の不十分さ」「コミュニケーションエラーの発生」などが顕在化しました。
この課題に対する解は、BCPも意識した分散型ワークスタイル・ビジネスプロセスを構築することです。この変革によって、「いつでもどこでも同じように」仕事ができる体制を構築します。

III.パンデミックBCPを策定する4つのステップ

今回の新型コロナウイルスの世界的流行では感染者と感染地域が少しずつ拡大したことで、国や地域による出入国規制、外出の制限・自粛などが強化されました。その結果、感染地域にある工場の操業が停止となり、サプライチェーンの分断が生じました。
今回のように刻々と変わる状況に迅速に対応するには、強力なリーダーシップが必要です。そこで、まず基本方針を策定して、意思決定する緊急対策本部を設置します。次に、緊急対策本部に各国政府やWHOの発表、国内外メディアからの報道、取引先や社員などからの情報を集め、対応策を決定します。具体的には、次の4つのステップでパンデミックBCPを策定していきます。(参照 図表2

  1. 基本方針と被害シナリオの策定
  2. 危機管理体制の決定
  3. 感染拡大防止策の決定
  4. 事業継続策の決定

ただし、すべてを緊急対策本部で意思決定する必要はありません。パンデミックは国や地域によって状況は異なるため、地域統括会社や子会社に任せるもの、本社で決定するものに仕分けし、情報収集の効率化とスピードアップを図ります。また、対応策には十分なオプションを用意し、適宜選択できるようにします。それにより、状況の変化に柔軟に対応していくことが可能となります。

図表2 パンデミック対応用BCP策定の進め方

1.基本方針と被害シナリオの策定 新型コロナウイルス発生時の活動の判断の拠り所となる基本方針と、対応策のオプション検討の前提となる被害シナリオ(最大欠勤率、交通規制等)を策定する。
2.危機管理体制の決定 策定した被害シナリオを基に、緊急対策本部の構成、役割分担、招集手順、現地(海外)緊急対応本部の構成、役割分担、招集手順等を定める。
3.感染拡大防止策の決定 策定した被害シナリオを基に、感染拡大防止策のオプション(海外出張者の帰国手順、従業員等の検温手順等)とその実施手順等を定める。
4.事業継続策の決定 策定した被害シナリオを基に、在宅勤務、決裁権限の変更等、通常と異なる業務手順が必要と判断された場合に、その暫定対応手順を定める。

1.基本方針と被害シナリオの策定

最初に行うことは、基本方針の策定と周知です。判断基準となる基本的な考えや姿勢を明確にし、それをトップ自ら語ります。これは、緊急対策本部の意思決定を海外子会社やグループ会社で支障なく実行していくために最も重要なことです。新型コロナウイルス対策の基本方針であれば、事業継続対応としては「重要業務の特定とリソース集中」「サプライチェーンの見直し」「働き方の見直し」が、感染防止策としては「出張・渡航禁止」「従業員・家族への注意喚起・健康管理」「セミナー・研修・会議・会合の制限」などが考えられます。この基本方針と外部環境、内部環境に基づいて自社の業務を「停止できない業務」と「計画停止する業務」などに振り分けてトップダウンで意思決定を行います。基本方針を定めることで、情報収集も緊急対策本部での議論もそれに沿ったものとなり、判断しやすくなります。(参照 図表3

図表3 緊急対策本部による情報集約と対応指示

 緊急対策本部による情報集約と対応指示

被害シナリオには、たとえば最大欠勤率、インフラやサプライチェーン関係者の被害と復旧見通し、自社ビジネスへの影響をまとめます。
今回の新型コロナウイルスでは、自粛期間が長期に渡り、業務影響や経済影響が大きく発生しました。過度な自粛を行うのではなく、専門家の意見や状況を踏まえて、適切な対応をスピーディに行うことが重要な一方で、対応に苦慮した企業も多かったと推察されます。その際にも、経営者として、「何を意思決定の軸にするのか?」を明確にすることが求められます。政府からの情報やメディアの情報に惑わされながら流れに任せた意思決定をしているようでは、従業員や世間からの信頼を失う懸念も高まります。
たとえば、社会インフラを担うような企業であれば、自粛も必要ですが、社会インフラを絶対に止めないという「社会的責任」や、医療系の企業であれば新型コロナウイルスだけでなく「患者様の命を守る」という使命や経営理念があるはずです。BCPとは単なる災害対応ではなく、「企業活動・事業活動を継続する」ための計画です。真の意味で会社の企業価値を踏まえて、何を重視すべきかを考えることがこの基本方針策定の最も重要な意義となります。

2.危機管理体制の決定

緊急対策本部の構成と役割分担、召集手順を定めます。海外子会社にも、本社の緊急対策本部と連携する緊急対応本部を設置、その構成と役割分担、招集手順等を定めます。危機管理体制は、基本的に情報収集チームや海外対応チーム、顧客対応チームなどチーム分けをしますが、感染状況に応じてレベル分けし、段階に応じていつでも規模を変更できるようにしておきます。また、BCPを発動する前の初動対応体制にも考慮する必要があります。
チーム分けを行ったうえで、通常チームリーダーを設定しますが、リーダーが罹患した場合に備え、必ず2名以上設定することが重要です。単純な代行順位を定めておくだけでなく、常に状況と情報を把握できるリーダーレベルの人材を登用できるようにしておくことが不可欠です。

3.感染拡大防止策の決定

感染状況に応じたレベルとシチュエーション別に、感染拡大防止策のオプションとその実施手順等を定めます。国内発生の早期段階において、事業所内であれば、マスク着用や手洗い・うがいの徹底、事務所内の換気、消毒の徹底など、移動時としては、在宅勤務の実施や出張・会議の中止などのように感染防止策を洗い出します。その際、前倒しできるものも準備しておきます。
感染拡大防止策では、発症者が出たときの体制も構築します。たとえば、従業員や同居家族が発症した場合には感染力を踏まえた期間の自宅待機(新型コロナウイルスの場合は14日間)を、発症の疑いがある場合には出社を禁止し、医療機関で検査を受けさせるなどです。
感染拡大防止策として、今回は在宅勤務が推奨されましたが、現時点で環境が整っていない企業は、1日も早い整備が必要です。オフィスも固定席からフリーアドレス制への移行や、シェアオフィスの活用などを平時から進め、リモートワークに慣れておくことが重要です。
仮に地震や台風などの災害で被災した場合にも、在宅勤務は有効な手段となります。

4.事業継続策の決定

事業継続の判断には、たとえば1ヵ月間の工場の操業停止による損失度合いなどの判断材料が必要となります。そこで、事業を継続していくために必要な最低限の経営リソースを分析します。感染状況に応じたレベルや業務別に、事業継続に必要なリソースと不足すると予測されるリソースを洗い出しますが、その際には、必要となる知識やスキル、資格なども明確にしておくとよいでしょう。また、在宅勤務の可否、決裁権限の変更など、通常と異なる業務手順が必要と判断された場合の暫定対応手順も定めます。
今回の新型コロナウイルスのように、人的リソースが大きな問題となるケースにおいては、より一層、会社として継続すべき「優先事業・業務」の特定が重要になります。逆に言うと、「捨てる事業・業務」を決めることにもなり、普段優先事業・業務に従事していない従業員には不満や無力感などを与えることも懸念されます。このような場合において、経営者からは「今回の優先事業・業務の決定は、有事を乗り切るために会社として優先すべき事項を基本方針に則って定めた。理解と協力をお願いしたい」というような意思決定の考え方やプロセスなどを明確に提示していくことが重要です。

IV.レジリエントなグローバルクライシスマネジメントを構築する

今回の新型コロナウイルスの世界的流行では、あらゆる日本企業が否応なく自社のBCP体制を検証することになりました。クライシス発生時は、平時に比べて情報量が大幅に不足するにもかかわらず、仕事量は増大します。状況が刻々と変化するため、意思決定する際にも時間的な余裕はまったくありません。一方で、意思決定がもたらす影響は大きく、外部評価も厳しいものとなりがちです。なぜならば、人命や企業の存続に直結するからです。
一般的に、日本企業は政府の方針や競合に合わせて動く傾向がありますが、クライシス発生時はそれでは遅いことが多々あります。各国・地域が新型コロナウイルスをどう捉え、どのような対策を取ろうとしているのか、その「リスク感度」を把握し、それに合わせて対応を「決断」する必要があります。たとえ本社が日本にあり、影響を受けることが少ないとしても、グローバル企業として相応の対応が必要です。
想定外のクライシスは、日本企業のレジリエンス強化に繋がります。危機を乗り越えるために、従業員一人ひとりの能力や意識が向上し、組織の力が高まるからです。また、変革のチャンスでもあります。今回の新型コロナウイルスの世界的流行では、強制的なリモートワークの動きが見られました。これを機に、これまでリモート化が進んでいなかった企業にも在宅勤務やリモートの勤怠管理などが導入されていくと考えられます。今後は、5G(第5世代移動通信システム)等の技術によって工場やプラントなどの自動化が進み、無人化やリモートワークも加速していくでしょう。
BCPや危機管理体制は、一度構築して終わりではなく、このような未曽有の危機に直面したタイミングや社会の環境変化に合わせて、生き物のように常に育て強化していくものです。
今回の危機を機会と捉え、日本企業のさらなるレジリエンスの強化に繋がることを願います。本稿がその一助になれば幸いです。

執筆者

KPMGコンサルティング株式会社
パートナー 足立 桂輔
ディレクター 土谷 豪

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