KPMG、「2019 FINTECH100」を公表

フィンテック100は、世界のマーケットリーダーであるフィンテック企業トップ50社からなる「リーディング50（Leading 50）」と、革新的な製品やソリューションを提供する新興フィンテック企業50社からなる「エマージング50（Emerging 50）」から構成され、デジタル決済からデジタル融資、インシュアテック、ネオバンクまで、フィンテックにより世界の金融サービス業界に変革をもたらしているフィンテック企業を紹介するものです。
6回目となる2019年版では、日本企業から、暗号資産に関する金融サービスを提供するQUOINE株式会社（38位）とテーマごとに投資先を選択することを可能にする資産運用サービスを提供する株式会社FOLIO（49位）が「リーディング50（Leading 50）」として2年連続でランクインしました。
また、AIによる市場予測ソリューションを提供するスタートアップであるAlpacaJapan株式会社、及び、少額投資の資産管理サービスを提供するTORANOTEC株式会社が、「エマージング50（Emerging 50）」に選ばれました。

• フィンテック100の分野別の内訳：決済ビジネスを手掛ける会社が27社ランクインしたほか、ウェルスマネジメント・資産運用会社19社、保険会社17社、レンディングを手掛ける会社15社、複数分野に跨ってビジネスを手掛ける会社13社がランクインしています。昨年比で決済ビジネスを手掛ける会社の数がわずかに減少し、ウェルスマネジメント・資産運用会社や保険会社、複数分野に跨ってビジネスを手掛ける会社が増加しています。
• 資金調達総額の継続的な増加：フィンテック分野への資金流入は引き続き増加しており、フィンテック100の企業によるベンチャーキャピタルからの調達資金累計は700億米ドルを超えています。また、過去1年の調達額が1億米ドルを超える企業は32社に達し、その数は年々増加しています。
• 中国やインドをはじめとしたアジア地域の躍進：フィンテック100のうち、アジア太平洋地域の企業が42社を占め、うち中国企業が10社、インド企業が8社となっています。特にインド企業の増加が著しく、そのうち2社は2019年版のトップ10にランクインしています。直近3年間に10億米ドル以上を調達した11社のうち8社は、中国、インド、および東南アジアの企業となっています。
• フィンテックのグローバル化の進展と標準化：今年の分析では、複数の地域にまたがり急速にグローバル化するフィンテック企業の増加が示されており、フィンテック100の企業は世界中の25億人以上にサービスを提供しています。一方で、多くの伝統的な金融機関やグローバルなIT関連の大企業も、新興企業と同じようにイノベーティブに、かつ大規模にフィンテックを展開しています。
• 規制緩和と金融サービスへの参入拡大：規制緩和や新たな制度設計が拡がり、業界の垣根を越えて新たに金融サービスへ参入する企業が増えています。フィンテック企業はバーチャルバンキングのライセンスやオープンバンキング等を通じてサービスの多様化や高度化を実現しています。

フィンテック100は、以下の5つの要因に関連するデータに基づいて、広範にわたるグローバルな調査と分析に基づき選定されました。

1. 資金調達総額（年平均）
2. 資金調達レート
3. 地理的な多様性
4. 業界の多様性
5. X-factor（製品、サービス、事業モデルのイノベーションの程度） - 「注目の新興企業」の選定のみに適用される主観的尺度