KPMGグローバルCEO調査2017~破壊、そして成長へ~(日本企業の分析)
本稿では、世界全体の調査結果と比較しながら、日本のCEOの回答から浮かび上がった特徴的な傾向をまとめています。
本稿では、世界全体の調査結果と比較しながら、日本のCEOの回答から浮かび上がった特徴的な傾向をまとめています。
Article Posted date
15 September 2017
昨年のグローバルCEO調査では、『変革するのは今しかない』と題して、自社の事業変革に注力するCEOの姿をご紹介しました。それから1年、多くの経営トップはその目標に向かって明確に歩を進めています。しかし、この1年間に新たな不確実性の波が押し寄せました。CEOは企業に影響を与える破壊的な事象について、まったく新しい視点から捉え直す必要に迫られています。
本稿では、全体の調査結果と比較しながら、日本のCEOの回答から浮かび上がった特徴的な傾向をまとめています。
ポイント
- 日本のCEOの約9割は、今後3年間で、技術イノベーションにより自社の業界に大きな破壊が起きると予想しており、世界全体の約5割を大きく上回った。
- 日本のCEOの約8割は、自社が最新テクノロジーに追い付いていないことを懸念しており、全体の約5割を上回った。
- 不確実性などによる不安が増す中、今後3年間における世界経済の見通しに「自信がある」と回答したCEOは、全体では約6割だったのに対して、日本はわずか約2割となった。
- 日本のCEOの約6割は、既存の市場への浸透活動の強化を最優先戦略事項としており、またその戦略においては5割以上が他社とのコラボレーションを最も重視している。
- 日本のCEOの約8割が、自らの判断の基礎としているデータの完全性に懸念を示している。
- 日本のCEOが最も懸念するリスクとして、「レピュテーション/ブランドリスク」と「サイバーセキュリティリスク」がこの1年間で上位に浮上した。
内容
- KPMGグローバルCEO調査2017の概要
- 調査結果から見る日本企業の特徴
- 破壊に対する挑戦
- 自信を妨げる不確実性
- 戦略的優先事項
- 顧客志向
- 変化するリスク
- まとめ
執筆者
KPMG ジャパン アドバイザリー本部長
KPMG コンサルティング株式会社 代表取締役社長
宮原 正弘