海外上場

海外上場とは、自国以外の証券取引所で株式を上場させることを言う。プライマリー上場とセカンダリー上場があり、原株を発行する場合と、預託証券(Depositary Receipt)を発行する場合がある。日本企業の海外上場先としては欧米やアジアが多い。

海外上場とは、自国以外の証券取引所で株式を上場させることを言う。プライマリー上場とセカンダリー上場があり、原株を発行する場合と、預託証券(Depositary Receip ...

海外上場

海外上場とは、自国以外の証券取引所で株式を上場させることを言う。例えば、日本企業が外国の証券取引所に株式を上場させることは海外上場に当たる。似たような言葉にクロスボーダーリスティング(Cross Boarder Listing)という言葉があるが、通常、クロスボーダーリスティングとは、自国の証券取引所に上場している企業が、別の国の証券取引所でも株式を上場させることを言う。なお、日本企業が、在外グループ会社を現地の証券取引所または、現地以外の国の証券取引所に上場させることも含めて海外上場という場合もある。日本の法律等に基づいて設立された日本企業、または、外国の法律等に基づいて設立したグループ会社を、それぞれ登記国以外の国の証券取引所に上場させるためには、登記国と上場する国の法律・規則、言語、会計基準等の差異の調整等が必要となる。

プライマリー上場とセカンダリー上場

海外上場にはプライマリー上場とセカンダリー上場がある。プライマリー上場とは、ある証券取引所を主要取引所として、会社の発行するすべての株式を当該証券取引所に流通させる上場形態のことをいう。プライマリー上場では、主要証券取引所のルールをすべて尊守することが原則となる。セカンダリー上場とは、ある証券取引所に既に上場している会社が、別の証券取引所にも上場する形態を言う。セカンダリー上場では、流通株式を制限させるため一部の上場規則を免除してもらうケースが多い。例えば、日本の証券取引所で上場していない会社が海外上場する場合は、通常プライマリー上場することとなり、上場会社が海外上場する場合は、通常セカンダリー上場することとなる。

原株と預託証券(DR)

海外上場時に、原株を発行または売出しする場合と、預託証券(DR=Depositary Receipt)を発行する場合がある。預託証券とは、既に発行している株式を預け入れた信託銀行等が発行する代替証券のことを言う。なお、海外上場に際し、どちらの株式を発行するかは、各証券取引所の規則等による。また、上場時に株式を発行せず、上場後マーケットの状況等を考慮して株式を発行するイントロダクション方式を選べる証券取引所もある。

実際のケース

実際の、日本企業の海外上場のケースとしては、欧米とアジアの証券取引所が多い。1960年代から2000年代にかけて、欧米の証券取引所に日本の大企業が見受けられたが、1990年代に入ると上場を廃止するケースも散見されるようになる。日本の証券取引所の厳しい規制や証券市場の株価の低迷等を理由として、2000年前後から、中堅の日本企業を中心に、アジアの証券取引所が注目を浴び始める。その後、2010年前後からは、中国や東南アジアの経済成長を背景としたアジアの証券取引所の発展に伴い、アジアの証券取引所への上場を検討している大企業も増えているようである。

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