コールセンター/コンタクトセンターのリモートワーク化(在宅エージェント化)は、これまでもさまざまな理由から検討されてきましたが、特に国内においてはなかなか推進されなかったという経緯があります。しかし昨今の新型コロナウイルス感染症の影響により、コンタクトセンターの職場環境の多くが「密」として注⽬される状況であることなどから、業界を問わずリモートワーク化の検討を余儀なくされ、実際に実現されている企業も出てきているのが現状です。
KPMGでは、こうした背景や経緯を踏まえ、多岐にわたる検討軸から成るフレームに基づき、企業のコンタクトセンターのリモートワーク化を⽀援します。
コンタクトセンターのリモートワーク化にあたっては、下記のような軸での検討が必要です。
<検討概要と検討のポイント>
検討軸 | 検討概要 | 検討のポイント |
---|---|---|
顧客視点の検討 | ・カスタマージャーニー ・コール・デジタル導線再設計 ・周知 等 |
・エクスペリエンス重視のカスタマーサービス実現 |
オペレーション⾯の検討 | ・応対品質管理 ・シフト管理 ・オペレーションサポート体制 等 |
・応対品質の維持・向上 ・スムーズな移⾏ |
システム⾯の検討 | ・⾳声・サーバ基盤 ・アプリケーション基盤 ・ネットワーク・PC基盤 等 |
・セキュリティの確保 ・先進ITの活⽤ |
従業員環境の検討 | ・住環境・執務環境 ・ネット環境 ・メンタルサポート 等 |
・従業員の健康・安全確保 ・働き⽅改⾰推進 |
評価・労務⾯の検討 | ・応答率他KPI設定とモニタリング ・労務管理 ・セキュリティ含む耐監査性担保 等 |
・優先すべき事項の⾒極め ・緊急時/定常時の区別 |
コンプライアンス/セキュリティ⾯の検討 | ・個⼈情報・セキュリティ関連法規 ・労働関連法規 ・社内規定・プライバシー/セキュリティポリシー 等 |
・関連法規の遵守 ・社内規定等の⾒直し |
検討の進め⽅(例)
コンタクトセンターのリモートワーク化は、さまざまな観点からの検討が必要なため、まず基礎調査を含め基本⽅針をしっかりと策定し、社内関係部⾨のコンセンサスを得ながら実⾏に移していくことが肝要です。
以下に、各ステップごとの検討内容を挙げます。
1. 現状調査/検討⽅針定義
ステップ | 検討内容 |
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現状調査 | ・現⾏センター能⼒把握 ・現⾏業務体系把握 ・現⾏システム調査 ・従業員在宅環境調査 等 |
検討⽅針定義 | ・検討フレーム重み付け ・検討項⽬カスタマイズ ・検討タスク定義 ・スケジュール定義 ・事務局/分科会体制定義 |
2.分科会検討
ステップ | 検討内容 |
---|---|
分科会討議 | ・定義された分科会単位での詳細検討・討議 |
追加調査実施 | ・(必要に応じ)追加調査の計画・実施 |
分科会横断討議 | ・事務局主導での分科会横断課題の検討・討議 |
3. 基本⽅針取りまとめ
ステップ | 検討内容 |
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基本⽅針取りまとめ | ・詳細検討事項抽出 ・実⾏課題と対応策特定 ・実⾏プラン策定 |
主要ステークホルダー調整 | ・基本⽅針の主要ステークホルダーへの説明・承認取得 |
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