1.未来に回帰する
実店舗からオンラインへ、そしてまた実店舗へと消費者の購入行動のブーメラン現象が起きています。消費者は店舗でのショッピングを楽しんでおり、実際、店舗で買い物をするか、オンラインで購入を続けるかの選択肢があった場合、消費者は実店舗での買い物を好みます。消費者は、オンラインでの素晴らしいエクスペリエンスを実店舗にも求めており、小売企業はオンライン・実店舗それぞれの長所を提供できる機会を得ています。
- 店舗内テクノロジーの向上
- オンライン販売は伸び悩み
2.BOPIS導入でオムニチャネルを実現する
消費者が買い物をする時、頭に思い浮かべるのは、購入チャネルではなくブランドです。そして実店舗、オンラインにかかわらず、高品質な体験を期待します。これは在庫、製品知識、チェックアウトの簡単さなどの活動にまで及びます。
多くの小売企業はシームレスなオムニチャネルの実現を目指してきましたが、パンデミックによって促進されたBOPIS(buy online, pickup in store)などの配送オプションにより、真のオムニチャネルの存在が現実になりつつあります。
- テクノロジー面の課題
- BOPISサービスの向上
3.サプライチェーン問題を克服する
世界的なサプライチェーンの混乱は、急激なインフレによる消費者の購買行動の変化によって、既存の問題をさらに悪化させています。在庫不足から過剰在庫、物流管理まで、小売企業はますます強い圧力に直面しています。
小売企業は、発注点(その在庫数を下回れば発注をかけると決めた在庫水準)を引き上げ、長いリードタイムを計画することで対処しましたが、遅延や商品不足を解消する余地を広げた結果、保管コストが増加しました。
サプライチェーンの影響を抑え、運送費を減らし、配送期間を改善するため、小売企業は内部のプロセスを更新しています。多くは追加スペースや新技術に投資し、サプライチェーンの合理化と顧客対応の向上に取り組んでいます。
- 物流の問題
- 異なる視点
4.逼迫する労働市場を切り抜ける
厳しい人手不足に直面している小売企業は、報酬の引き上げ、オートメーションの導入により対応しています。ほとんどの小売業者は、初任給の引き上げ、福利厚生の充実、従業員の教育とスキルアップの機会を増やしています。
調査対象の小売企業のトップの戦略には、高い給与(57%)と入社特別手当(51%)がありますが、働く場所の柔軟性(37%)と昇進(29%)は、小売業者が人材を維持するための低コストの解決策とみなされています。
- オートメーションの台頭
5.メタバースの可能性を試す
メタバースは初期段階にありますが、その可能性に対する興奮や熱狂は溢れんばかりです。メタバースは、デジタルアバターやアイデンティティを通じて、インタラクティブで没入感のあるソーシャルエクスペリエンスを可能にする仮想空間です。ショッピング、社交、ゲーム、フィットネス、教育、仕事、トレーニング、エンターテインメント、友人と過ごすことなど、メタバースは物理世界と仮想世界を融合させ、新たな方法で人々をつなぎます。
KPMGの1,000人以上の消費者を対象にした調査によると、回答者の3人に2人がメタバースをすでに知っていると答えており、認識の度合いは若い世代ほど高く、Z世代では86%、ミレニアル世代では81%がよく知っていると回答しています。
- メタバースにおける小売
6.ESG:目的をもって進歩を受け入れる
ESG(環境・社会・ガバナンス)プログラムは、小売企業にとってますます重要になっています。このことは、過去2年間に自社におけるESGの役割が増したと考えている小売企業トップが80%(「大幅に増した」が29%、「やや増した」が51%)に上昇したことからも明らかです。
ESGは、環境、社会的正義、効果的なガバナンスに関連する要素に焦点を当てた基準によってされる倫理的かつ責任ある行動を企業に促します。消費者、従業員、投資家、規制当局、取締役などの主要ステークホルダーは、再考察し、代替手段を探求し、消費に対してもっと配慮することで持続可能な未来を提唱し、小売企業に同じことを求めています。
- コストに関する懸念
- サステナビリティを脅かすファストファッション
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