German Newsletter 2022年11月号

ドイツニューズレターでは、ドイツにおける会計、税務、法務、労務環境等の最新動向を解説しています。

ドイツニューズレターでは、ドイツにおける会計、税務、法務、労務環境等の最新動向を解説しています。

目次

今月号では、以下のトピックについて解説します。

  1. 知的財産(IP)がドイツで登録されている場合の制限納税義務に関する最新情報
  2. 不動産税法改制:膨大なデータと迫る期限
  3. ペーパーレス・オフィスとデジタル税務コンプライアンス - 現状維持の状態から持続可能なデジタルの未来へ

I.税務

1.知的財産(IP)がドイツで登録されている場合の制限納税義務に関する最新情報

はじめに

前回のニューズレター(2021年10月)では、知的財産(IP)がドイツで登録されている場合の制限納税義務(いわゆる「登録事案」)に関する最新動向や簡易的ルールについて紹介した。

一般的に非居住企業は、収入源がドイツに関連する場合、ドイツの制限納税義務を負う。すなわち、ドイツの不動産の賃貸などで発生した収入、ドイツの恒久的施設で実施した活動による収入、ドイツの知的財産(IP)を活用したことで発生した収入は、ドイツとの国内における関係性により制限納税義務の対象となる。

しかし、2020年にドイツ連邦財務省(BMF)は、ドイツ国内の恒久的施設での使用など、ドイツでのIPの利用による国内の関係性の確立とは別に、ドイツの公的登録簿(これにはミュンヘンにある欧州特許庁も含まれる場合がある)に登録されているIPについては、すでにドイツとの関係性が満たされていることを改めて公表した(「登録事案」)。

この広義の解釈においては、例えば:

  • 日本の多国籍企業グループのIPライセンスが
  • ドイツの登録簿で登録されているIPであり
  • ラテンアメリカのグループ会社にライセンス供与されている場合
  • ライセンス収入はドイツで課税される。

2021年の連邦通達とともに、連邦財務省はこのような登録事案に関する簡易的ルールを公表したが、このルールは限られた期間内での申請にのみ適用されるものであった。その後2022年6月に発行された新たな通達により、当該簡易的ルールの適用期間が延長された。

今後については、連邦政府は現時点での法案において、登録事案に関する規制をほぼ撤廃することを取り決めた。それにより今後は登録事案としては、非協力的な国・地域に税務上の登録所在地がある第三者に対してのみ継続して制限納税義務が適用される予定。ただし、移行期間中には異なる税務上の取扱いが適用されるものと予想される。

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