タイ:関税ニューズレター 9月号

タイニューズレター - 関税についてお知らせいたします。

タイニューズレター - 関税についてお知らせいたします。

1.HS品目表の改正

先日、関税分類コード(HS品目表)の改正が関係各国で合意され、2022年1月1日より新たなHS品目表が適用されます。電子製品、化学品、ドローンのような無人航空機、スマートフォンなど351項目にわたって幅広く品目分類が変更されたため、今後、タイ関税局から変更された品目分類に従ったタイ国内の関税率表が公布されることが見込まれています。

2.新型コロナウイルスの治療、診断、予防に関する製品輸入に関するVATの免除手続き

2021年7月14日に公布された歳入局長官告示No.33によれば、寄贈を目的とした新型コロナウイルスの治療、診断、予防に関連する製品の輸入には輸入VATが免除されることになります。輸入VATの免除のために必要な手続きを定めた関税局通達No.123/2564によれば、輸入申告時に、以下の記載が求められます。

  1. 備考欄に“Donate COVID-19”と記載
  2. VAT減免の欄に“100%”と記載

3.ASEAN相互承認枠組み協定の改正

2021年7月27日にASEAN相互承認枠組み協定の改正が閣議で承認され、年内に調印される見込みです。相互承認枠組みとは、各産業分野における国ごとの品質基準、安全基準、評価基準等をASEAN域内で統一を目指す枠組みをいいます。
本協定の改正の合意により、ASEAN域内の企業にとって以下のメリットが考えられます。

  1. 国際基準に準拠したHS品目表の採用
  2. コスト削減(評価基準手続きの統一により輸入後の再評価手続きが不要)
  3. 評価基準統一による品質の信用性向上

4.プラスチック・スクラップの輸入規制導入の延期

タイ政府は2019年から2020年までプラスチック・スクラップの輸入を段階的に制限してきましたが、今後段階的に規制を強め、2026年1月以降はプラスチック・スクラップの輸入を全面的に禁止すると発表しました。

5.Digital Tax Compensationの導入

関税実務の円滑化を図るとともに、新型コロナウイルス等の感染症対策の一環として、関税オンライン支払システムであるDigital Tax Compensationが今年9月から導入されています。これまで輸入関税等の支払いに使用できるクーポンは紙で発行され、クーポンの使用に際しては関税局まで赴く必要がありましたが、今後は電子クーポンが発行され、オンラインシステムにて使用できることになります。

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