欧州グリーンディールに関する補助金プログラム
チェコニューズレターでは、チェコにおける税務、法務の最新動向を解説しています。
チェコニューズレターでは、チェコにおける税務、法務の最新動向を解説しています。
欧州連合(EU)は、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標としており、これに関連して、欧州グリーンディールが締結され、Just Transition Fundが設立されました。
グリーンディールとは、EU経済の持続可能性を確保するための行動計画であり、特にクリーンで循環型の経済への移行による資源の効率的な利用、環境汚染の低減を目的としています。この目標を達成するためには、環境に配慮した技術への投資、産業界の技術革新への支援、そして、よりクリーンで安価な公共交通機関の導入、エネルギー部門の脱炭素化、建物のエネルギー効率の向上など、さまざまな施策が講じられる必要があります。
EUは、Just Transition Mechanism(JTM)を用いて、グリーン経済への移行によって最も影響を受ける事業体に資金援助と技術支援を行います。このため、JTMプログラムが設立され、チェコには総額16億4,000万ユーロ(約427億CZK)が割り当てられています。
このプログラムは、最も影響を受ける地域における脱石炭の悪影響に対処するために設計されました。チェコでは、カルロヴィ・ヴァリ、モラヴィア・シレジア、ウスティ・ナド・ラベムの各地域が該当します。このプログラムの主な目的は、石炭産業から撤退する労働者の十分な雇用を確保することと、石炭採掘の影響を受けた地域の復興と再開発です。また、排出権の取引を行う企業を含む大企業も対象としています。
また、以下のようなさまざまな活動に対しても支援が行われます。
- デジタライゼーション
- クリーンエネルギーとエナジーセービング
- サーキュラー・エコノミー
- 再開発と新しい土地利用
このプログラムは、2021年から2027年のプログラム期間で計画されており、最初の申請は2022年初めに受け付けられる予定です。