RPAのもたらすインパクト - 品質向上など4つの効果
「同僚はデジタルレイバー」第5回 - RPA導入効果に関する調査で、最もインパクトがあると思われる効果に挙げられた「品質の向上」について解説する。
RPA導入効果に関する調査で、最もインパクトがあると思われる効果に挙げられた「品質の向上」について解説する。
業務の効率化がとくに注目されているなか、デジタルレイバーの1つの形態であるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入効果に関する調査を行ったところ、最もインパクトがあると思われる効果は、「品質の向上」であった。
RPAの導入によって、(1)品質の向上(2)スピード(3)効率化(4)高度化(高付加価値業務へのシフト) - の4つの効果が創出されはじめている。まず1つめの品質の向上についてだが、RPAは、例えば人が画面を操作するのと同様の作業を記憶させることが可能である。人間と違い、継続的かつ安定的に業務を実施することが可能だ。その結果として、作業の高品質を実現している。
2つめのスピードに関しては、RPAの導入自体も含め、規制変更などに対する変更対応が早い。言うまでもなく、人と比べて業務実施スピードが圧倒的に速いことも特長だ。人が実施する数十倍から200倍程度のスピードでの業務実行が可能であり、24時間365日休みなく実施することが可能である。
さらに、3つめの点においても、40~75%の業務効率化が実現されるなど効果は顕著だ。業務の特性にもよるが、リポート作成などの集計作業などについては、KPMGコンサルティングの経験によれば、90~100%の効率化を実現した例もある。
4つめの高度化においては、定型業務をRPAに置き換えることで、人が定型業務から解放され、もっと高度な付加価値のある仕事にシフトすることが可能となる。例えば、RPAの導入により業務に関する各種実績データが容易に蓄積可能になり、業務改善機会を特定しやすくなる。
このため、業務の更なる改善機会の創出に取り組むことができる。今まで実現できなかった新しいサービス内容が実現され、高付加価値をもたらすことが可能となる。
RPA導入の効果
日経産業新聞 2017年4月5日掲載(一部加筆・修正しています)。この記事の掲載については、日本経済新聞社の許諾を得ています。無断での複写・転載は禁じます。