平成27年3月期決算の留意事項
平成27年3月期決算においては、段階適用されていた平成24年改正退職給付に関する会計基準等の改正事項が全面適用となり、また、複数の実務対応報告等が適用(予定)されます。
平成27年3月期決算においては、段階適用されていた平成24年改正退職給付に関する会計基準等の改正事項が全面適用となり、また、複数の実務対応報告等が適用(予定)されます。
Article Posted date
12 March 2015
本稿では、これらを中心に本3月決算における留意事項を取りまとめています。平成25年改正企業結合に関する会計基準が、平成27年3月期決算から早期適用可能となっており、この点についても言及しています。
なお、本文中の意見に関する部分は、筆者の個人的な見解であることをあらかじめお断りしておきます。
ポイント
- 平成24年改正退職給付に関する会計基準等の改正項目は、段階的に適用されてきたが、平成27年3月期決算から、原則として全面適用となっていることに留意する。
- 実務対応報告第30号「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」の適用開始により、新たな開示が必要になることに留意する。
- 実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」の適用開始により、適用対象となるリース取引を、オペレーティング・リース取引に係る注記に含める場合があることに留意する。
- 平成26年度税制改正および平成27年度税制改正(執筆時点で改正税法は未公布)により、法定実効税率が改定となり、繰延税金資産および負債の測定、また、税制改正の内容により繰延税金資産の回収可能性に影響を与える場合があることに留意する。
- 平成25年改正企業結合に関する会計基準等の改正項目の一部について早期適用可能となる。早期適用する場合には、早期適用対象の改正項目のすべてについて同時に適用する必要がある。適用する場合の移行処理に選択肢が与えられ、会社の実情に応じて判断することに留意する。
内容
- 平成24年改正退職給付に関する会計基準関係および退職給付に関する会計基準の適用指針とその改正案
- 平成24年改正退職給付に関する会計基準関係
- 企業会計基準適用指針公開草案第52号(企業会計基準適用指針第25号の改正案)「退職給付に関する会計基準の適用指針(案)」
- 実務対応報告第30号
- 実務対応報告第30号の概要と適用時期
- 実務対応報告第30号の会計処理方法
- 実務対応報告第30号の開示
- 実務対応報告第31号および実務対応報告第31号の改正案
- 実務対応報告第31号の対象と適用時期
- 実務対応報告第31号の会計処理方法
- 実務対応報告第31号の開示
- 実務対応報告公開草案第43号(実務対応報告第31号の改正案)「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」
- 実務対応報告第5号および実務対応報告第7号の改正
- 平成27年度税制改正関係
- 単体開示の簡素化による改正案
- 企業会計基準公開草案第57号(企業会計基準第1号の改正案)「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準(案)」
- 企業会計基準適用指針公開草案第53号(企業会計基準適用指針第2号の改正案)「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針(案)」
- 実務対応報告公開草案第45号(実務対応報告第30号の改正案)「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い(案)」
- 企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令
- 決算短信・四半期決算短信作成要領等の改正
- 会社法改正関係
- 平成25年改正企業結合に関する会計基準関係
- 平成25年改正企業結合に関する会計基準
- 平成25年改正企業結合に関する会計基準等に関する平成27年3月期の留意事項
- 実務対応報告公開草案第44号(実務対応報告第18号の改正案)「連結財務諸表における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)」
- 改正案の概要
- 早期適用および経過規定
- 「金融商品会計に関する実務指針」および「金融商品会計に関するQ&A」の改正(公開草案)
執筆者
有限責任 あずさ監査法人
パートナー 長岡 正浩
シニアマネジャー 丹羽 滋正