推定規定/質問検査規定(Secret Comparable)
税務調査において納税者が法令に規定される書類を提出期限までに提出できない場合には、提出しなかった事実に対して罰金等を科せられない。
税務調査において納税者が法令に規定される書類を提出期限までに提出できない場合には、提出しなかった事実に対して罰金等を科せられない。
Article Posted date
01 August 2022
なお、2019年度税制改正においては、特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置が創設されたことに伴い、推定課税規定は本価格調整措置に関して求められる独立企業間価格の算定に必要な文書の提出がない場合にも適用されることとされている。
(※)日本版移転価格文書化参照
因みに、2016年度税制改正により作成・提出が義務付けられた日本版マスターファイルと国別報告書に関して提出期限までに提出できない場合は推定規定・質問検査権の適用ではなく、罰金を科せられる。
推定課税に際しては、税務当局が比較可能性についての詳細な検討を行うことが必ずしも要求されず、その適用結果に対して納税者に立証責任が転嫁される。しかしながら、推定課税に際して税務当局が質問検査権を行使して入手した比較対象取引に関する情報を用いている場合、税務当局はその情報に対する守秘義務を負うため、その情報の多くは納税者に対して公開されず、納税者としては課税の根拠を知ることができない(争うことも困難となる)という問題が生じうる。そのため、税務当局によるこのような規定の適用を回避する意味でも、日本版ローカルファイルの作成は必要最低限の移転価格コンプライアンスとして考える必要がある。