EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)

EBITDAは近年損益計算書の利益と並んで、企業評価の際に重視されるようになった指標であり、とくに国際的に事業展開する多国籍企業の投資状況を評価したり、経済環境の異なる企業間の経営成績を評価するのに用いられます。

EBITDAは近年損益計算書の利益と並んで、企業評価の際に重視されるようになった指標であり、とくに国際的に事業展開する多国籍企業の投資状況を評価したり、経済環境の異なる企業 ...

EBITDA = 税引前利益 + 減価償却費 + 支払利息

上記の算式は、経済環境による差異を排した上の利益水準の実態を把握するというものであり、広義の営業キャッシュフローを意味するものです。

税引前利益

各国の税率の違いによる利益への影響を抑えるために税引前の利益を用います。

減価償却費を足し戻す

減価償却費はキャッシュの流出を伴わない非資金費用項目のなかでも利益に与える影響が大きいため、これを足し戻すことで、減価償却の方法の違い=各国の会計基準の違いによる利益への影響を抑えることができます。

支払利息を足し戻す

各国の金利差による利益への影響を抑えることができます。

EBITDAの特徴として、設備投資に積極的な企業の利益水準と、そうでない企業の利益水準の比較において、潜在的な収益力を含めて評価することで、短期的には利益の圧迫要因となる設備投資(による償却費の増大)を、長期的な企業の成長要因として捉えられることが挙げられます。

しかし、EBITDAのこうした特性を利用しての不正経理が行われたことが大きな問題となりました。2002年7月に上場廃止となったWorld Com, Incは、通常の期間経費である支出を設備投資にかかわる償却費に付け替える処理をしていたことが明らかになりましたが、これは両者とも費用としては変わりなく、利益に与える影響は同じであっても、EBITDA上は積極的な設備投資による費用として、誤ったメッセージを市場に与えることになったわけです。

こうした問題の発生を受けて、EBITDAを敬遠する動きも急速に広がりました。公正さを担保するための厳格な会計基準により算定された利益よりも、このような「実質的な」利益を重視する傾向は、企業による会計操作を行いやすくするといった批判を呼び、2003年にはそれに対処する形で米国ではレギュレーションGが施行されました。これは決算の発表時に一般会計原則によらない財務指標を発表する時は、一般会計原則による財務指標と、それとの比較を同時に発表することを企業に義務づけたもので、一連の不正会計騒動に対する対処として成立したサーベンス・オクスレイ法の一環として、企業によるEBITDAの発表をけん制するものであるとされています。

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