経理DXを推進していくために―経営の意思決定サポート業務とITの関係(3)―

今回は経理財務部門の業務変革において、今後大きな役割を果たす経営の意思決定サポート業務とITの関係について解説します。

今回は経理財務部門の業務変革において、今後大きな役割を果たす経営の意思決定サポート業務とITの関係について解説します。

1.意思決定サポート業務へのIT利活用に向けた経理財務の役割

ここまで説明してきた意思決定サポート業務をしっかりと機能させるために、重要なのが以下の3つのポイントです。

(1)経営管理要件の明確化
(2)データ収集におけるリーダーシップの明確化
(3)ITを活用したインサイトの提供

今回から、この3つのポイントについて、それが重要である理由と、経理財務機能がどのようにそこに関わっていくべきかについてご説明します。

まず(1)経営管理要件の明確化についてです。

(1)経営管理要件の明確化

まず、経営管理要件を明確にすることです。ここでいう経営管理要件の典型例 は「自己資本比率」や「在庫回転率」等、経営者が重要視する指標等を言います。経営管理システムを活用する場合、この経営管理要件を明確にするのは必要がありますが、経営層が欲している情報が定義されていないケースも多くあります。

経営要件、特に、コーポレートにおける経営管理要件は、当然ながらCEOやCFOなど経営層が思い描いているはずです。しかし、経営管理部門や経理財務部門がボトムアップで要件を取りまとめ、経営層にお伺いを立てても、提示された要件に対して具体的な指示や指摘はあまりなく、曖昧な要望になっている場合、構築する意思決定サポート体制が、経営層の意思決定に資するものになるとは言えません(図1)。

図1 要件定義におけるCFOの関与イメージ

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執筆者

あずさ監査法人
Digital Innovation本部
経理DXチーム

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