AIで進化する監査
あずさ監査法人では、多様な専門家が協業して監査におけるAIの効果的な活用を日々研究し、現場に導入して監査の品質向上と効率化を図っています。
あずさ監査法人では、多様な専門家が協業して監査におけるAIの効果的な活用を日々研究し、現場に導入して監査の品質向上と効率化を図っています。
AIを活用した監査高度化の例
財務諸表レベルの不正リスク検知
不正リスク検知モデル(Fraud Risk Scoring_ai)
過去に発生した不正による訂正報告案件の特徴を機械学習で解析し、対象となる財務諸表において不正な会計処理が発生するリスクを数値化するツールを開発しました。不正リスクの識別をサポートするツールとして、監査現場で活用しています。
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仕訳・取引レベルの誤謬・不正リスク検知
仕訳・取引レベルの誤謬・不正リスクスコアリングモデル(KPMC Clara analytics AI Transaction Scoring)
KPMGインターナショナルと、世界で有数の財務リスク識別プラットフォームを提供するMindBridge Analytics Inc.(以下「MindBridge社)は、世界各国で展開しているKPMGのデジタル監査に高度なAIを導入するために戦略的提携を発表しました※。両者が連携して開発したKPMC Clara analytics AI Transaction Scoringは、MindBridge社の高度な統計手法、機械学習や分析技術をKPMG Claraに組み込むことで、勘定残高だけでなく取引レベルまで詳細に分析し、デジタル監査におけるリスク評価の精緻化や不正検知の高度化が可能となります。
すでにKPMGの一部のメンバーファームで監査適用あるいは試験運用されており、あずさ監査法人では2023年6月期より試験運用を開始、2024年6月期以降に順次導入規模を拡大していく予定です。
ポイント | 監査関与先が得られるベネフィット |
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監査証拠として入手するドキュメントの不正リスク・異常検知
証憑改ざん検知モデル(KaizanCheckBot_ai)
あずさ監査法人と企業不正の調査支援を専門に手掛ける株式会社KPMG FASフォレンジック部門が共同開発したKaizanCheckBot_aiは、さまざまなパターンの改ざんに対応する検出手法を複数適用し、改ざんのリスクが高い箇所を特定し、PDF等の電子証憑の改ざん検知を支援します。具体的には、検知対象の電子ファイルをKaizanCheckBot_aiに投入すると、肉眼では判別困難な編集作業の痕跡を浮かび上がらせるための画像処理や、ファイルに付されている日付等のプロパティ情報の抽出および検証を行います。監査人はKaizanCheckBot_aiの処理結果を理解し、より詳細な調査につなげていきます。
ポイント | 監査関与先が得られるベネフィット |
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AIを活用した作業効率化の例
ナレッジの蓄積と共有および効率的な検索
会計・監査Q&Aシステム
監査の実行にあたっては、監査・会計論点に関する基準や参考書などの外部公開情報だけでなく、監査法人内に蓄積したナレッジやFAQ、KPMGの監査メソドロジーなどの内部情報も含め、膨大な情報の中から適した内容をピックアップする必要があります。あずさ監査法人ではAIを活用し、利用者の質問に関連性の高い情報を検索して結果を提示するQ&Aシステムを導入しています。今後は対話型AIを含む先端テクノロジーを活用し、さらに精度を向上させていきます。
ポイント | 監査関与先が得られるベネフィット |
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財務諸表を含む開示書類の検証手続の自動化
開示書類検証支援ツール(DisclosureBot_ai / Disclosure Workspace)
AIを活用し、監査済み財務諸表をもとに作成された有価証券報告書などの開示書類の検証作業の自動化・効率化を実現しています。
本ツールは継続的に機能改善・強化を行っています。現在は宝印刷株式会社が発足した「監査・開示 DX 研究会」および株式会社プロネクサスが発足した「監査・開示業務効率化検討会」に参加し、より効率的なデータ取得の実現に取り組んでいます。
ポイント | 監査関与先が得られるベネフィット |
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執筆者
あずさ監査法人
Digital Innovation部